弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
川西郷土館のもう一つの国登録有形文化財_旧平賀邸
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    川西郷土館旧平賀邸

     

    (川西郷土館の調査で再訪)

    一月ほど前、川西市下財町にある、郷土館の建物(旧平安邸_ひらやすてい)の調査に行きましたが、今回も同じ建物の追加調査でした。

     

     

     http://kitamahokif.jugem.jp/?eid=3299(旧平安邸遠望)

     

    前回気になっていた、同じ敷地にあるもう一つの登録文化財の建物が旧平賀邸。

    そこを、今回の調査の前に1時間ほどじっくり見ることが出来ました。

     

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    (明治の化学者が愛した英国様式)

    旧平安邸が伝統的なこの地域の和風建築(数寄屋風)であったのに対して、旧平賀邸は英国洋館仕様です。

    別の場所にあったものを、川西郷土館の敷地内に平成の初めに移築したものです。

     


    建てたのは、東京帝国大学出身の化学者の平賀義美博士(安政4年8月6日(1857年9月23日) - 昭和18年(1943年)3月2日)。

    東京大学では、化学、染色を学んだ後、英国留学。
    英国から帰国後、1881年に東京職工学校教諭。1882年に判事・平賀義質の死去の際、その娘婿となり、名前を平賀義美に改名しました(初名は石松决(いしまつ さだむ))
    1890年、農商務省技師となり、1894年に大阪府立商品陳列所長となり、1896年に大阪織物会社設立。1917年に大阪実業協会会長となって、大阪の経済発展に寄与されました。(以上、wikipediaの記述に依る)

    英国留学した際に向こうの建物に魅了されて、大正7年に、最初は猪名川沿いの川西市小戸に建てたものです。

    施工は鴻池組ということです。

     

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    外壁が小石の洗い出し、基礎は御影石を積んだもの。

    小石洗い出しとは、セメントモルタルに色のついた石など大きめの骨材を入れて塗りつけた後、 完全硬化する前に、噴霧器やブラシで水洗いして、石の頭を出す仕上げのことです。

    洋小屋スレート葺きの屋根がかかった平屋建て。出窓と煙突が特徴です。

     

     

    主屋の後ろにある赤い屋根は2階建ての実験研究棟。主屋と違い、板張りです。

     

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    主屋は平屋建てですが、背後の赤い屋根の実験研究棟は2階建てで、主屋とは空中廊下とも言うもので2階に繋がれています。

     

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    実験研究等の2階。

     

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    玄関も、陽光をうまく取り入れています。鴨居の上の欄間はチューリップ?の意匠。

     

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    そして調度品も英国趣味のもので占められています。当然寝室にはベッド。

     

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    ミューゼ・レスポワール

     

    その他にも、川西出身の画家の作品が、敷地奥のミューゼ・レスポワールに常設展示されています。

    また画家のアトリエを再現した、一見教会のような建物もあります。

     

    アトリエ館。

     

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    東屋。梅の花がちょうど咲いていました。

     

    春になれば、アトリエとここの前の桜が見事に咲いて、一層華やかな雰囲気になるそうですよ。改めてまた来てみたいですね。

     

    平安邸と合わせてみれば、なかなか見ごたえのある郷土館でした。

     

     

     

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    #川西市郷土館 #旧平賀邸 #洋館 #旧平安邸 #数寄屋風造り #ミューゼレスポワール

     

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    | 弘前りんご | 建築 | 08:14 | comments(0) | - |
    登録文化財の調査も今回で三回目。兵庫県川西市の川西郷土館 旧平安邸
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      (文化財調査第三弾)

      今年に入って、1月だけで3箇所の調査に参加しました。

      まったくこれまでの自分の専門外のため、勉強しなくてはいけないことが山積みです。

      しかし調査そのものは実に楽しいです。フィールドワークの面白さというか。

      いずれヘリテージマネージャーの資格を取ろうと夢見ています (*^^*)

       

      (川西郷土館旧平安邸)

      さて、兵庫県川西市下財町にある、川西郷土館。

       https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/shiseijoho/shokai/kankouannai/1003058/kankou_kyodo.html


      ここ川西市下財町は、かつて銅の精錬で栄えた街です。

      今回の調査対象の登録文化財は、その郷土館を形成する建物群の中の一つ、旧平安邸です。

      銅の精錬を生業とした平安家の邸宅兼作業場だった建物です。

      ちなみに平安へいあんではなく、ひらやすと読みます。

       

      これは大正中後期に建てられました。

      伝統的な民家の構造に明治以降に広まった数寄屋風の作りが合わさった独特の建物です。

       

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      多田銀銅山最後の製錬所として昭和初期頃まで操業していましたが、現在はその縁を偲ぶ資料館になっています。

       

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      隣の敷地には、明治の洋館風の建物、旧平賀邸(こちらも国の登録有形文化財)があり、旧平安邸の純和風と好対を成しています。

       

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      (旧平安邸の見どころ)

       

      銅の精錬を手掛けていただけあって、雨樋が銅製、建物の各所にある装飾も多くが銅製で、盛時の面影を見ることが出来ます。

       

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      照明もなかなか素敵です。

       

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      欄間の意匠もなかなか素敵でした。

       

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      また裏庭には、銅の精錬で出てくるスラグあるいは鉱滓(こうさい)が無造作に置かれていました。

       

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      盛時の反映を思わせるいくつもの蔵。

       

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      そして大きな中庭

       

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      そして母屋は6−8畳のサイズの部屋が、3間ずつ並列に並ぶ6間構造で、その上に大きな入母屋の屋根が覆っている構造です。

       

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      その六間取りの部屋では、2月から始まるひな祭りのひな壇のセッティングが行われていました。

       

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      飾り付けは一日がかりだそうです。

       

      今回の調査は、屋根や壁の状態だけでなく、床下に入っての状態調査もあり、なかなか大変でした。

      しかし、普通はまず見ることが無いので、貴重な経験となりました。

      調査の詳細は部外秘のため、ここには書けませんが、多くの所見を報告することになりました。

       

       

      川西郷土館(http://www.kawanishi-hyg.ed.jp/kyodokan/)

       

       

       


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      #登録文化財 #調査 #兵庫県川西市 #川西郷土館 #旧平安邸 #数寄屋風 #多田銀銅山 #銅の精錬 #旧平賀邸 #洋風

       

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      | 弘前りんご | 建築 | 20:22 | comments(0) | - |
      登録文化財の調査、第二弾。今津灯台
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        (下り酒)

        灘、伊丹、池田で作られた日本酒が江戸に運ばれる、いわゆる下り酒は、今津の港などから船で運ばれました。

        運搬は初めは菱垣廻船(ひがきかいせん)でしたが、いろんな荷物を一緒に運ぶため、出船までに日数がかかり、お酒の味が落ちやすいという問題などがありました。

         

        そこで酒造家たちは独自に組合を作り、酒専門に運ぶ樽廻船(たるかいせん)の運用を始めました。江戸時代中期のことです。

         

         

        酒専門なので積み込みが合理化され、運搬に必要な日数を短くできました。江戸時代中期のことです。

        尤もその後、その迅速な運用が評価され、酒以外にも、米・麹なども運ばれるようになりましたが。

         

        (今津灯台)

        その今津の港に古い灯台(今津灯台)が立っています。

         

         

        今から230年ほど前に建てられたもので、現在も灯台として機能しています。現役灯台としては日本最古です。

        その所有者は、あの大関酒造ですが、西宮市の登録有形文化財に指定されています。

         

         

        今津灯台

         

        (調査の目的は?)

        今津港の運用と安全性担保のため、新たに水門(上の写真の灯台の向こう側に見える2つの鉄筋が見える建造物)を建造することになりました。

         

        位置関係から分かるように、それが建つと灯台がその役割を果たせません。

        そこで、この灯台を新しく設けられる水門の外側に移設する必要が生じました。

        今回は、その移設の方法を検討するための、灯台の構造調査です。

         

        一応設計図に当たるものはあります。

        しかし230年の間に、度々補修や腰板の葺き替えなどがされています。

        実際に立ち入って確かめてみないと、移設計画が建てられないということで、今回の調査になりました。

         

        (内部に入る)

        土台は御影石の石垣と、その上の青竜山石の基壇で、さらにその上に灯台が建っています。

         

         

        鍵を開け中に入りました。

         

        下から屋根部分まで貫く柱が4隅に立ち、その柱が土台と重しの石で固定されています。

         

        4メートルほどの高さの細いはしごで上がったところが光源部

         

        光源部分

         

        格子窓と銅葺き屋根

         

        電気のない時代は燭台で、格子窓にはその火が消えないように障子紙が貼られていました。

         

        (移設時の運搬の問題)

        できるだけ現状維持で移設したいという所有者の意向と、現実の運搬上の問題とのすり合わせがなかなか難しい問題です。

        全て解体して、移設場所で再構築できるのであれば、運搬上の問題は無いのですが、コストが掛かるという問題があります。

        一方、解体せずに運ぶとすると、大きさの問題(まるごとだとトレーラーに積める大きさを超える)があります。

        更に立てて運べないので(高さが規制値を超えるため)、横にする必要があります。

        その場合には脆弱そうな木造袴腰に力が掛からないように養生する必要がありますが、それをどういう形にするかも考える必要があります。

         

        色々と検討課題が明らかになった調査でした。

        移設のタイムリミットはおよそ2年後。そのための計画は1年以内に建てることになります。

         

        それはさておき、個人的にはこういう貴重な施設の内部に入る機会が得られたのは幸いでした。

         

         


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        #登録文化財 #調査 #今津港 #今津灯台 #下り酒 #灘 #伊丹 #池田 #樽廻船 #菱垣廻船 #江戸時代

         

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