弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
斉唱_絵画で音楽を表現してみせた者_今日は画家小磯良平の誕生日
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    (絵画と音楽)

    絵画と音楽、いずれも芸術のカテゴリーに入りますが、ある面でこれほど対照的なものもないでしょう。絵画、特に具象画は、一瞬の視覚的真実を写し取るもの、一方音楽はその表現から時間の流れを切り離すことはできないもの。したがって、絵画で音楽を表現するというのは実に難しいと言わざるを得ません。

    それをやって見せた画家がいました。神戸出身の洋画家、小磯良平その人です。

     

    彼の休息(小磯良平の友人、詩人の竹中郁をモデルにした作品 1927年)

     

    具象画の伝統的技法を的確に身に付け、東京美術学校(現東京芸術大学)を、この絵を卒業制作として提出し、開学以来の最高点を取って首席として卒業した小磯良平。その後フランスに留学し、古今の名画を構図を学ぶために見て回ったとか。

     

    (斉唱)

    そんな彼が、太平洋戦争開戦直前の1941年に描いたのがこの絵 ”斉唱”。すでに日本の画壇で名声を獲得していたはずです。

    現在は兵庫県立美術館に常設展示されています。

     

    斉唱 1941年

     

    (小磯良平との出会い)

    初めて小磯良平の絵に出会ったのは、確か大学生の頃。小磯記念美術館で彼の絵を初めて見た時、穏やかな画風で女性画を描く画家だなといった印象でした。

    しかし、その後この絵を初めて見たとき、まさに目の前で歌っている歌が聞こえてくるような、時間の流れを感じさせられました。なぜそんな風に感じたのかは、その時はわかりませんでした。
    (ちなみにこの美術館は現在、六甲アイランドに移転しています。)

     http://kitamahokif.jugem.jp/?eid=3273

     

    女学校の生徒達が歌う姿を描いたこの作品。

    斉唱(複数の人が同じ旋律を一緒に歌うこと)というタイトルからも、ここに描かれた10人ほどの女学生が一緒に歌っているはずなんですが...

     

    (モデルは一人の女性)

    実はこの絵、一人のモデル(小磯良平のお気に入りのモデルだったようで、他の絵でも度々登場します)に楽譜を持たせ、いろんな姿勢を取らせ、いろんな角度からスケッチをして、それを一つに構成したということです。

    そういえば10人は非常によく似ています。もしそれぞれ異なる人物として描いていたら、空間的な構成の方を強く感じさせたことでしょう。

    しかし、同じ人物を向きや姿勢を変えて配置することで、いわば高速度カメラで一人の人の動きをとらえた連続写真のような効果を生み、それが時間の流れを感じさせることになったのではないでしょうか。

    他の画家達から抜きん出て、絵画の構成に力を注いだ小磯良平ならではの匠の技なのではないでしょうか。


    なお、戦時中、戦争画を進んで描いたことに良心の呵責を感じていた彼は、それに対する思いも込めてこの絵を描いたようです。

    女学生が素足で立っていることもそのことに関わっているのでしょうか。

     

    小磯良平(1903年7月25日 - 1988年12月16日、wikipedia)

     

    今日、7月25日はそんな彼の誕生日でした。

     

     

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    #絵画 #音楽 #似て非なるもの #統合 #小磯良平 #斉唱

     

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    | 弘前りんご | 美術 | 11:25 | comments(0) | - |
    印刷所の無名技師から一躍、アーティストに。画家ミュシャの誕生には名伯楽の存在があった。
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      (名伯楽、サラ・ベルナール)

      サラ・ベルナールと聞いて、ジスモンダを思い起こした方は、なかなか美術に造詣が深い方だと思います。


      ミュシャ:舞台劇”ジスモンダ”のポスター


      パリが最も華やかだった時代、ベル・エポックにおいて舞台女優として一斉を風靡した女優、サラ・ベルナール

       

      サラ・ベルナール(wikipedia)


      彼女はその俳優としての才能だけでなく、有能な芸術家を見出す能力にも長けていたようです。


      アルフォンス・ミュシャ(1860年7月24日 - 1939年7月14日、wikipedia)

       

      (ベルナール、ミュシャを見い出す)
      サラ・ベルナールが、自身の舞台劇”ジズモンダ”のポスターを依頼した相手、アルフォンス・ミュシャは、当時全くの無名の印刷所に働く若者でした。
      彼は偶然のきっかけでこのポスターを手がけることとなりました。

      それを見たサラ・ベルナールはその才能に惚れ込み、その後自身の舞台のポスターを彼に一任しました。

      お陰で彼は一躍人気作家となります。



      さらに舞台の小道具としてのユリの冠。
      これのデザインは例によってミュシャがポスターで発表。



      それを基にデザインしたのが、ルネ・ラリック

      やはり彼も当時無名のジュエリーデザイナーでした。
      サラが依頼したことで、ひのき舞台に上がったことから、彼も世間の注目を浴びることになります。

      こうしてみると、偶然の出会いがきっかけとはいえ、サラ・ベルナールの確かな見る目がこの二人をデビューさせたといえるでしょう。
      まさに名伯楽ですね。

      なお、ラリックの一大コレクションが、実は日本の箱根にあります。

      箱根ラリック美術館(http://www.lalique-museum.com/

      箱根観光のついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

       

      今日は、サラ・ベルナールが見出した若き才能だったアルフォンス・ミュシャの誕生日でした。

       

       

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      #サラベルナール #ジスモンダ #名伯楽 #ミュシャ #ラリック #箱根ラリック美術館 

       

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      | 弘前りんご | 美術 | 20:02 | comments(0) | - |
      お気に入りの美術館には、お気に入りの絵が。
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        (美術館の有り様)

        これまでにも何度も書いてきましたが、やはり美術館の魅力はその所蔵する作品に依存する面は大きいでしょう。

        数も大事ですが、その質がより大事でしょう。

        それは歴史のある美術館であれば、これまでの蒐集の成果がそこに現れるわけですが、新しい美術館はどのようなポリシーで作品を収集していくのかが大変興味あるところです。

         

        (三菱一号館美術館)

         

        これまたいつも挙げている美術館ですが、建物が復元とは言え、明治期のレンガ造りの魅力あふれるもの。

        そして、美術館として出発する時点で、館長の強い意志で特に近代の優れた作家の作品が集められています。

         

        中でも、ヴァロットン

         

        フェリックス・ヴァロットン『決定的理由 La Raison Probante 』(1897年)木版画

         

        そしてルドンの魅力を教えてくれたという点で、そのコレクションがいいですね。

         

        ルドン グラン・ブーケ

         

        ずっと頑なに(?)色のないモノクロの世界を描いてきたルドンが、ある時満を持してというべきか、堰を切るように色彩表現が溢れ出します。そんな時代の最も重要な作品の一つが、このグラン・ブーケです。

         

        (アーティゾン美術館)

        ブリジストン美術館

         

        ここは、ビルごと建て直されて、今年リニューアルオープンし、ブリジストン美術館から名をアーティゾン美術館(ミュージアムタワー京橋ビル内)と変えて再出発。

         

        ミュージアムタワー京橋

         

        しかし、その石橋財団の持つ見事な近現代の美術コレクションももちろんアーティゾン美術館に継承されています。

         

        それこそ数多あるコレクションの中から選ぶのは至難の技ですが、印象派の中では比較的最近まで知られていなかったカイユボットの重要性と魅力を教えてくれた点は大きいですね。

          http://kitamahokif.jugem.jp/?eid=846

         

        (青木繁)

        青木繁(1882年7月13日 - 1911年3月25日、wikipedia)

         

        そして何より、あの青木繁のデビュー作にして最高傑作である”海の幸”が、この美術館で見ることが出来ます。

         

        海の幸(1904年、重要文化財、アーティゾン美術館蔵)

         

        そして、彼のもう一つの代表作 ”わだつみのいろこの宮”もこの美術館で見ることが出来ます。

         

        わだつみのいろこの宮(1907年、重要文化財、アーティゾン美術館蔵)

         

        青木繁は、若くして日本美術史上に残る作品を次々と生み出しましたが、時代が彼を理解する力がなかったのか、名声を得られず、放浪の旅の末に胸を患って、肺病により28歳という若さで無くなってしまいます。

         

         

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        #美術館 #コレクション #三菱一号館美術館 #ヴァロットン #ルドン #グランブーケ #ブリジストン美術館 #アーティゾン美術館 #カイユボット #青木繁 #海の幸 #わだつみのいろこの宮

         

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