弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
素晴らしいのに、これまでなぜか評価があまり高くなかった2作品_関西フィル定期公演
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    (一歳違いのロマン派の作曲家2人)

     

    フェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ(1809年2月3日 - 1847年11月4日)38歳

     

    ロベルト・シューマン(1810年6月8日 - 1856年7月29日)46歳

     

    ドイツロマン派の作曲家を代表するメンデルスゾーンとシューマン。生まれは1年違いですね。

    シューマンはメンデルスゾーンのことを「天国から直接この世に贈られたダイヤモンド」と高く評価。

    メンデルスゾーンもシューマンの大いに敬意を払っていて、クララと共に友情を育んでいったようです。

     

    とはいえ、2人は全く異なるタイプ。

    頭脳明晰、沈着冷静。恋愛に対しても冷静さを失わず、結婚相手と自分が相応しいかどうかを見極めるために数ヶ月も一人旅に出たメンデルスゾーン。彼の作り出した作品も優れた工芸品のように完成度が高いものです。

     

    一方、シューマンといえば、思い込んだらのめり込むタイプ。クララに一目惚れしたら、周囲の反対など目に入らず、クララの父との訴訟を起こしてでも一緒になろうとしたほど。

    作品も当時の一流の作曲家のそれと比べれば、技法的にはお世辞にも見事とはいい難いもの。しかし、それがアンリ・ルソーのように他のものに代えがたい魅力となっているのも事実。画家アンリ・ルソーと同様(?)ヘタウマの代表のようなもの ^^;)

     

    (何故かこれまで評価が低かった二人の作品)

    彼ら2人の作品への評価も、当時は不当に低いものでしたが、今ではその真価を認められて一流の作品とみなされています。

    しかし、日本においては特にメンデルスゾーンの作品に対する評価は長らく低いものでした。

    その原因は、ドイツロマン派の正統(バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス)を最高無二のものとし、メンデルスゾーンなど、ユダヤ人の裕福な家庭に生まれ、一見何不自由なく育ったお坊ちゃんの手慰みという様な見方が、日本の評論界にあったと言われています。

    自分で何かを生み出さないで、先人の言いようをただなぞっただけの批評に終止する評論家が多かったのでしょう(今も?)。

    せめてきちんと曇らない目で作品そのものを見て評価できなければ、評論家は無用の長物(ちょっといいすぎか ^^;)でしょう。

     

    (関西フィル第313回定期演奏会)

     

     

    さて、前置きはそのくらいにして、この演奏会で取り上げたのは、その二人の交響曲2曲。

    1曲目は、メンデルスゾーンの交響曲第5番 ”宗教改革”

    2曲目は、シューマンの交響曲第4番

     

    この二曲には共通点があります。

    メンデルスゾーンの”宗教改革”の方は、二番目の交響曲として、宗教改革300周年の行事で演奏するべく準備されたのです。

    しかし、その行事が中止になったため、一旦お蔵入りになってしまいました。そして晩年(と言っても30歳代後期)に再び手を入れて、すでにその後2曲の交響曲を発表後だったので、第5番として発表された経緯があります。

    宗教改革の名にふさわしく、第1楽章の”ドレスデンアーメン”から始まり、コラールなどを随所に散りばめた宗教性を見事にまとった交響曲になっています。

     

    一方、シューマンの第4番も、あの有名な第1番”春”の直後に手掛けられ交響的幻想曲の名で初演されるも、不評。

    やはりそのままお蔵入り。

    そしてやはり晩年(と言っても41歳 ^^;)に、特に楽器用法について改訂を行い、第4番の交響曲として発表しました。

    当初幻想曲の名となったように、4楽章は続けて演奏されるというスタイルは継承し、

    立ち込めるきりのような序奏で始まる第1楽章。

    哀愁を帯びた旋律によるロマンスの第2楽章

    雄渾なスケルツォによる第3楽章

    第4楽章は神秘的な序奏に始まり、躍動感ある中間部、そして一気呵成に流れ込むコーダで幕を閉じます。

     

    どちらも素晴らしい作品で、余り人気が高くないのが不思議。

    やはり日本の批評界の特殊事情によるのでしょうか。

     

    藤岡幸夫さんの指揮、関西フィルハーモニーの溌剌とした演奏で、楽しく聴かせて頂き、充実した週末の午後となりました。

     

     

     

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    #メンデルスゾーン #シューマン #友情 #ロマン派 #不当に低い評価 #宗教改革 #関西フィルハーモニー #定期演奏会 #藤岡幸夫 

     

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    | 弘前りんご | 音楽 | 05:58 | comments(0) | - |
    現代音楽の扉を開いてしまった作曲家_シェーンベルク、今日は彼の誕生日
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      (後期ロマン派から現代音楽への橋渡し)

      クラシック音楽(西洋音楽)は19世紀の終わり頃(いわゆる世紀末)には、ある意味行き詰まりを見せていました。

      それまでにワーグナー、ドビュッシーなどによって、西洋音楽の特徴である和声が極限まで拡大され、調性は曖昧になるところまで行き着いていました。

      クラシックの作曲家たちは、それを解決して、新たな音楽を作曲、構築するにはどうすればいいのかという点で苦闘していたわけです。

      そして、それに対する一つの解答を示したのが、オーストリアの作曲家、アーノルト・シェーンベルクでした。

       

      そしてその解答とは12の音階の使用を均等にする、12音技法でした。

      それに基づき、彼自身、そしてその優れた2人の弟子、ウェーベルン、ベルクが優れた作品を生み出しました。

       


      (Arnold Schönberg, 1874年9月13日 - 1951年7月13日 wikipedia)

      (シエーンベルクの本質)

      しかし、その彼が作曲家としてスタートした頃の作品は、後期ロマン派としての濃密で、非常に美しい響きの音楽を書いています。管弦楽曲の”グレの歌”、そして弦楽六重奏曲として書かれた ”浄められた夜”がその代表です。

      その後の現代音楽は難解で一般の人にはなかなか受け入れがたいため、それら初期の作品が人気を保ちました。

      おかげで、シェーンベルクもそれをいろんな形に編曲したものを提供することで、生活の糧にしていたようです。



      さて、その記念碑的作品である、”浄められた夜”ですが、
      この作品が作曲されたのが、1899年まさに世紀末の頃です。その時代を反映して、たとえば、絵画なども、グスタフ・クリムトやエゴン・シーレなどによる官能的、退廃的な作品が登場した時期ですね。いわゆる世紀末の気分がヨーロッパ中を満たしていた頃です。音楽においても、後期ロマン主義による作曲法に行き詰まりがみられていました。
      古典的調性から徐々に逸脱してきた西洋音楽が、彼の生きた頃には、ある意味限界に達していたとみられます。

      苦闘の末、それに対する一つの回答として、無調、十二音技法を彼は考案するに至ったわけです。

      歴史にIFはないと言われますが、生まれた時代がもっと前なら、ロマン派のスタイルの優れた作品を数多く書いていたものと思われます。しかし、真の芸術家である彼に、停滞は許されなかったということでしょうか。

      この作品は、詩人のリヒャルト・デーメルの同名の詩に基づいて作曲されました。
      男女が月光の下を連れ立って歩いています。子を身ごもったことを知った女が、(子の父ではない)新しい恋人にそれを打ち明けて許しを請い、男は許しを与えるといった内容。まさに世紀末的内容ですね。
      前半の苦悩に満ちたような暗い曲調から、一転希望の兆しが見えるのが15分少し前頃。同じ主題を変化させていますが、その美しさは比類ないものです。


      今日は、まず、管弦楽用に編曲されたものを、カラヤン指揮、ベルリン・フィルの演奏でどうぞ。

      シェーンベルク: 浄夜 作品4 (1899) [弦楽合奏版1943年編曲] 1973録音
      https://www.youtube.com/watch?v=bJoBGTPdtrY

       

      そして、原曲は弦楽六重奏曲として作曲されていますので、そちらもどうぞ。

       エマーソン弦楽四重奏団+ゲスト(パウル・ノイヴァウアー(ヴィオラ)、コリン・カール(チェロ))

       https://www.youtube.com/watch?v=I3x8siY2yKw

       

       

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      #音楽 #クラシック #世紀末 #現代音楽 #無調 #十二音技法 #シェーンベルク  #ウェーベルン #ベルク #後期ロマン派 #浄められた夜

       

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      | 弘前りんご | 音楽 | 12:08 | comments(0) | - |
      またもや蓄音機コンサート_ノイズの向こうに音楽が見える。(クラシックサロン・アマデウス)
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        (蓄音機コンサートNo.4)

        はや4回目となった、クラシックサロン・アマデウス主催の蓄音機コンサート。

         

         

        私は前回都合で参加できなかったので、3度目となります。

         

         

        少し早めに到着したので、美味しいコーヒーを頂きながら開始を待ちました。

         

         

        (直前のトラブル)

         

         

        演奏会前に蓄音機を動かしてみると、何やら中から大きな異音がしたんだそうです。

        あわや、演奏会は中止か?

        蓋を開けて中を覗くと、ある部品の位置が少しずれていて、他の部分に当たって音がしたんだそうです。

        それを適切な位置に調整すると異音は消えて、めでたしめでたし。演奏会は無事開催と成りました。

        近年のオーディオ機器なら電子部品の不具合で、こういう対応は出来なかったでしょう。

        そこはアナログ機器の良さというところでしょうか。

         

         

        (演奏曲目)

        1曲めは

         

        ラフマニノフのピアノコンチェルト第一番ラフマニノフ自身のピアノ、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管でした。

        作曲者のラフマニノフは、偉大なピアニストでもあったことがわかる、見事な演奏でした。

         

         

        続いて2曲目は、チャイコフスキーのピアノコンチェルト

         

         

        ピアノ独奏は、アルトゥール・ルービンシュタイン。ジョン・バルビローリ指揮ロンドン交響楽団でした。

        ルービンシュタインの若い頃の奔放なピアノ演奏が聞ける録音でした。

         

        電気を通していない、生音。ノイズはあってもその向こうに往年の名演奏家の生き生きとした演奏する姿が見える楽しい経験でした。

         

         

        クラシックサロン・アマデウス

         

         

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        #音楽 #クラシック #クラシックサロンアマデウス #蓄音機コンサート #ピアノコンチェルト #ラフマニノフ第一番 #チャイコフスキー #ラフマニノフ #オーマンディ #フィラデルフィア管弦楽団 #ルービンシュタイン #バルビローリ #ロンドン交響楽団

         

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        | 弘前りんご | 音楽 | 06:36 | comments(0) | - |
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