織田信長が殖産興業の目的で設けた楽市楽座。
要は既得権益を破壊して、新たな人と材の参入で商業を繁栄させようとしたもの。実際それが続けば、日本の歴史も大いに変わったのでしょうが。
『本能寺焼討之図』(楊斎延一画、明治時代、名古屋市所蔵)
ヨーロッパ中世で言えばギルド制度が既得権益を守ろうとする存在でした。それが自由競争を排除したため、自由な経済活動を阻害し、また商業だけでなく市政も独占していたため、新たな参入は難しく、ひいては全体の発展が鈍化していました。
しかし、市民階級の成長によりギルドは解体されてゆきました。その過程にはなかなか激しい攻防があったようですが。
錬鉄ギルドの伝統的なガラス看板(ドイツ)
翻って現代日本に目を移せば、既得権益を守ろうとする者のいわば庇護者になっているのが、各省庁およびと言うか正体は、その構成者たる高給、じゃなかった、高級官僚達ではないでしょうか?
もちろん彼らには許認可権を恣意的に行使することによって得られる旨味(退職後の再就職、いわゆる天下りなど)があるからなのでしょうが、縁もゆかりもない我が身には想像するしかありません ^^;)
今回の加計問題にしても、文部官僚が天下り制度の廃止を打ち出した政権に対して起こした造反と見ればわかりやすいかも。それに乗っかった某政党も問題ですが。
そのバックには、既得権益の集団である、獣医師会の存在を忘れてはいけないと思います。新たな獣医師の供給は、自身の存在(握る権益)を脅かすものになる可能性があるからにほかなりません。
一方、現在の獣医学教育は家畜のためのものに偏りすぎ、最近増えている愛玩動物にそのまま適用するのは問題が大いにあると言われています。そういう意味でペット動物を対象にする獣医師の需要はまだまだあるはずですが、それに既存の獣医学部は十分には答えられていないことにも問題があります。新たに参入する大学がそのニッチを狙うなら結構なことです。