ストラヴィンスキー(右)とチェリストのロストロポーヴィチ
20世紀を代表する作曲家の一人であるストラヴィンスキーは、生涯で、幾度と無くその作風をカメレオンのように変えたことで有名です。
デビューはバレエ音楽、火の鳥、ペトリューシュカ。ここではロシア民族音楽の流麗な旋律で、パリの音楽界を魅了しました。
しかし、その次の春の祭典では、聴衆の期待を大いに裏切り、変拍子、荒々しいリズムとメロディーで、演奏会を騒然とさせたことは有名です。この時期を彼の原始主義時代と呼びます。
しかし、ある時新古典主義に回帰し、バロック、古典主義の簡素な作風の作曲を行うようになります。その契機となった作品が、バレエ音楽”プルチネルラ”です。イタリアの古典的仮面劇をテーマにしています。今日後のほうで紹介する原曲のビデオで、ソリストたちが仮面を持っているのは、その関係です。
現在は、多くはコンサート形式で演奏されます。声楽付きがオリジナルですが、それが省略されることもありますね。私は声楽付きのほうが好きですが。
さて、前置きが長くなりましたが、今日紹介するのは、そのプルチネルラの中からいくつかを抜粋して構成されているイタリア組曲です。
いろんな楽器の組み合わせで演奏されますが、今回はヴァイオリンとピアノによるもので、ヴァイオリンがイツァーク・パールマン、ピアノがケン・ノダです。
ケン・ノダはアメリカ生まれの日系人、メトロポリタン歌劇場の首席指揮者・芸術監督であるジェイムス・レヴァインの、アシスタント。ピアノの腕も、ヴォーカルコーチとしての腕も、 その高さが評価されています。メトロポリタン歌劇場のヤングアーティストプログラムでも教えているようです。
ちなみに、映像で観客の最前列中央で聞いているのは、レーガン大統領夫妻では?
I. Introduzione: Allegro moderato
II. Serenata: Larghetto (2:11)
III. Tarantella: Vivace (5:16)
IV. Gavotte con due variazioni - Allegretto - Allegretto piu tosto moderato
V. Scherzino: Presto alla breve (3:40)
VI. Minuetto - Finale (5:00)
IGOR STRAVINSKY (1882-1971) Pulcinella
St. Petersburg - Grazunov Hall,
Rimsky-Korsakov St.Petersburg State
Conservatory - 22nd, Oct 2011
Raffaella D'ASCOLI, soprano
Pasquale SCIRCOLI, tenor
Romeo GIOVANNI, bass
The St. Petersburg Conservatory Chamber Orchestra
Conductor -- Marco PACE (Italy)