弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
銀漢の賦、秋月記にみる、葉室麟の武士の生き様
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    私が、今もっとも注目している作家が、葉室麟です。
    第二の藤沢周平等と言われていますね。
    確かに、地方の藩を舞台に武士の生き様を描くという点では同じ方向性でしょうか。



    しかし、最近読んだ二冊の葉室麟の作品、銀漢の賦、秋月記はどうもテイストが違う気がしました。どちらの主人公も、内情を知らず外から見ているだけでは、ある意味悪人とも判断されかねません。一人は病に冒され、余命いくばくもない。もう一人は藩政に隠然たる力を示し、最後は島流しに会います。

    ここで、葉室麟の武士の生きる道の捉え方が見えてきます。どちらも己の信念に忠実であること。それは自分の利益ではなく、自分の藩のためという公的な義に仕えているのですが、そのためにはあえて泥をかぶることも辞さないという生き方です。どちらも彼らの犠牲の元に藩が再生、あるいは生き延びることになるので、その思いは達成されたわけですが、彼らの犠牲はあまりにも重い。生半可な正義感では心が折れてしまいそうな試練が彼らを襲いました。

    実際の武士はどうだったか、それは分かりません。しかし、葉室麟は重責(重荷)を背負った人々の使命感とその苦悩との孤独な戦いを描くことで、現代にも通じる人の生き方を示しているのではないかと感じます。


    | 弘前りんご | 文学 | 05:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
    珍しいビデオ発見。グレン・グールドの室内楽
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      これはなかなか、貴重な映像と演奏です。




      ピアノをグレン・グールドが弾いています。
      弦楽四重奏は、クリーブランド管弦楽団のメンバーによる、Symphonia Quartet。


      Kurt Loebel (1st violin), Elmer Setzer (2nd violin), 


      Tom Brennand (viola), and Thomas Liberti (cello).


      なんとも豪華です (^O^) 

      この曲は、ショスタコーヴィチの室内楽では最もポピュラーな作品といって、いいのではないでしょうか。スターリン賞も受賞しています。リヒテル、アシュケナージ、アルゲリッチなども取り上げています。
      第一楽章の冒頭、哀愁を帯びたテーマで始まり、その後に現れる第二主題がこの上もなく美しいです。
      第三楽章スケルツォでは、弾むようなリズムがそれまでの、どちらかと言うと暗く重い雰囲気を払拭する明るいもの。

      映像も、さすがにグールドの唸り声こそ聞こえてこないものの、指揮するような光景も見えてなかなかに楽しいものです。



      | 弘前りんご | 音楽 | 06:46 | comments(2) | trackbacks(0) |
      マンドリンとギターのサマーコンサート
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        昨晩、家人のマンドリンのコンサートがありました。
        例によって、撮影クルーとして私も参加しました。
        あいにくの雨でしたが、会場には50人を超える人が集まってくれました。




        会場は弘前市の施設(弘前市総合学習センター)でしたが、部屋はなんと和室。そこに板の間の舞台がついていました。音は予想に反して、なかなかいい響きがあって、演奏し安かったと家人が申しておりました。 





        演奏曲目は、アンコールを入れて15曲でちょうど1時間。
        後ろから撮影していて、みなさん楽しんでもらっているように感じました。



        | 弘前りんご | 音楽 | 06:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
        ネットで見つけた面白動物画像集XIX
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          今日のブログも、ネットで拾った愉快な動物たちの写真のご紹介です。

          ネットに写真をアップされた方々に感謝致します。(^O^)
          なお、写真へのコメントは私のつぶやきです。


          好き (^O^)、嫌い ( 一一) 、好き (^O^)、嫌い ( 一一)  ......



          3軒目のBAR ”またたび”まで付き合ったのが、敗因だ (^^;)。



          痛いっ! 俺の尻尾、踏んだの誰だ!



          ふふふ、男前だこと!



          そこ、どかんかい!
          いやじゃー!



          なになに、それ!



          とほほ、まな板の上のタイ、なんちゃって。
          みなさん、さようなら (T_T)



          なりきっています、招き猫に (^_^;)



          一人元気!



          餌の時間に合わせちゃえ!



          乗りたいなー!



          硬っ!



          このものの不始末、どうかお許し下さい。



          体が蕩けるほどに、長湯してしまった (^_^;)



          5秒以内に、一人だけ違う顔の人を見つけたら、シェア!(^_^;)



          では、次回をお楽しみに! (^_^;) 


          | 弘前りんご | 写真 | 07:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
          SWITCH上映会に行って来ました。
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            弘前市本町の扇ねぷた。

            弘前ねぷたまであと一週間を切った金曜日の夜、映画の上映会に行って来ました。
            その映画は、”SWITCH”。分子生物学の研究者の村上和雄さんの提唱する、遺伝子のスイッチ。前向きな姿勢、笑い、そういうポジティブな働きかけで、眠っていた遺伝子(能力)がオンになり、新しい人生の展開が得られるという考えを映像化したもの。


            会場は、百石町のかだれ横丁
            その中のホールで有りました。


            元となった本は読んでいました。






            しかし、改めて映像で、実在の登場人物達の肉声で語られるエピソードには、心動かされました。ぜひ多くの人に観て貰いたい映画です。


            | 弘前りんご | 映画 | 07:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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            (弘前りんご)

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            そして成功するまでは故郷には帰れないと覚悟している主人公が、故郷で待つ母のおかえりという言葉を聞ける日も間もないというところで、小説は幕を閉じます。

            まさにハートウォーミングな小説。読後にじんわりと心があたたまる作品でした。
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