弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
多様な光の画家達_カラヴァッジョ、レンブラント、フェルメール、そしてラ・トゥール
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    見る芸術である絵画は、光がなくては成り立ちません。しかし、多くの画家にとって光は空気のようなもの、あって当然のもので取り立てて言及すべきことではなかったようです。しかし、その中でも、光にこだわった画家たちがいました。

    窓から差す一筋の光によって、緊迫した一瞬を切り取ってみせた、”マタイの召命”。イタリアのカラヴァッジョによって、バロック絵画の新しい1ページが始まったと言われています。
    その数十年後、オランダのレンブラント。彼の代表作の”夜警” では、やはり窓から差す光が、スポットライトのごとく、暗闇の中から、登場人物を浮かび上がらせています。さあこれから劇が始まるという緊張感が、見事に描かれています。
    そしてそれは、同じくオランダのフェルメールに継承されます。彼の作品のほとんどすべてにおいて、窓から差す光がまさに主役。ただ、全二者と違うのは、光が柔らかく空間全体に回りこみ、静謐な雰囲気をもたらしている点ですね。
    大工の聖ヨセフ(幼子イエスとその養父ヨセフ。子の未来を案じる父の悲しみの表情が、ろうそくにより照らしだされています)
    さて、レンブラントとほぼ同じ時期に活躍したフランスの画家に、ジョルジュ・ドラ・トゥールがいます。彼も光を実に効果的に絵に生かした画家でした。
    ただ彼と上記の他の作家との違いは、その光源にありました。そう、この”聖ヨセフ”に見られるように、外光ではなくローソクなどの灯りです。
    悔い改めるマグダラのマリア(メトロポリタン美術館蔵)
    灯火の前のマグダラのマリア(ルーブル美術館別館のルーブル・ランス美術館蔵)
    ラトゥールが宮廷画家として成功した矢先、仕えていた王(ルイ13世)が亡くなり、次の王(ルイ14世)の華やかな好みに合わず、冷遇されることになり、やがて歴史の闇に消えていったということです。実はラトゥールは20世紀に入って再発見された画家なんですね。謎の多いことも、今一般の人気が高まっていることの理由になっているかもしれません。
    しかし、そんなこととは関係なく、マグダラのマリア(4枚発見されています)それらの絵の静かでありながら、劇的な表現になっていることが、その本当の魅力でしょう。
    | 弘前りんご | 美術 | 06:40 | comments(2) | - |
    リスト、巡礼の年_クラシックの話題性?
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      このラザール・ベルマンが演奏する、
      この再生回数がここのところ、群を抜いて高くなってきているらしいです。それはなぜか?


      村上春樹の新作(『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』)で触れられたからだとか (^^;)


      前作(1Q84)では、ヤナーチェクのシンフォニエッタに触れたとたん、そのCDがクラシックとしては異様に売れたとか。こうなれば、Jクラシックなんて、見た目先行の演奏者の売り込みのような、底の浅いセールス方法をやめて、著名な作家に取り上げてもらうように頼んだほうがいいかも (^O^)。

      ちなみに、Jクラシックをwikipediaで検索をかけたら、ゴルフ場の名前しか出て来ませんでした(^^;) この言葉自体がもう死語かも。

      尤もそうやって買った人が、クラシック全般に興味を持つ確率は??
      リストの巡礼の年の、他のクリップの再生に今回の影響があまり出ていないところを見れば、答えは見えているような気がしないでもないですが。結局これもファッションなんでしょうね。

      でも、これをきっかけに他の曲も聞いてみようと思う人が少しでもいることを、少なからず願ってもいます。

      *本の方は読んでないので、ノーコメントです (^^;)



      | 弘前りんご | 音楽 | 06:37 | comments(2) | trackbacks(0) |
      ライオンズとベイスターズの両方のロゴで列車をラッピング?
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        なんでまた?と思ったんですが、
        関東の鉄道事情に疎かったため、気づかなかったのです。



        じつは、東武・西武線〜東京メトロ副都心線〜東急東横線〜みなとみらい線の相互乗り入れ(これまた何重にも ^^;)が、今年3月から実現していて、ライオンズの本拠地の西武ドームとベイスターズの本拠地の横浜スタジアムのそれぞれの最寄り駅が一本につながったんですね。






        それを記念して、仲良く両球団のロゴでラッピングした列車が、交流試合の行われる今月28, 29日(って、昨日今日でした ^^;)の試合開始時刻に合わせて運行されるんだそうです。
        こういう相互乗り入れは、利便性を高めてくれますが、地方では望むべくもないことで、羨ましいことです。黒石から青森まで直通列車なんて無理でしょうか? (^_^;) 

        ちなみに、この後6月16日まで運行されるようです。

        | 弘前りんご | 鉄道 | 06:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
        ネットで見つけた面白動物画像集XII
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          定番となりました(^^;) ネットで拾った愉快な動物たちの写真、一挙公開。
          なお、ヒトも動物ですので、ご了承を (^_^;)

          またネットに写真をアップされた方々に感謝致します。(^O^)
          なお、写真へのコメントは私のつぶやきです。
          (Facebook仲間のコメントも一部併載しました ^^)


          天使にも休養が必要だ!


          そう、まず前足右から!そして次は、あーどうだっけ?
          いつも考えて歩いてなんか、いないから (^^;) (弘前りんご)

          さて、早押しクイズの問題です (赤川)


          おめえ、ちっちぇえな!
          どこ見て、言ってるんだ!


          誰だ、こんな規格の滑り台を作った奴は!


          だから言ったろ!こいつに花見の場所取りさせるなって。


          まあ、ここまで来るのに、いろいろあったよ。


          あれーっ!?


          もう、おしまいだ (弘前りんご)

          いないいないばあ(赤川)

          おかあちゃん、赦して!(荒井)


          気をしっかり持て!
          あともう少しで、みんなが待っているところに帰れるんだぞ。


          つられました。


          どう考えても、食い付くしか選択肢は残されていない!(弘前りんご)

          ニイハオ! ワタシ 上海雑技団 アルヨ!(赤川)


          桜咲いて、物思いにふける私 (^_^;)


          ではまた次回 (^^;)

          | 弘前りんご | 写真 | 07:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
          デコチャーはどこへ行った?
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            弘前の学生の街、西弘。その商店街主導のまちおこしとして、B級グルメとして発案されたのが、デコチャー(デコレーションされたチャーハンという意)でした。


            私も当時(2011年11月)にどんなものかと食べにゆきました。お店は弘前学院前駅(当時、西弘駅) 
            ボリューム感もあって、楽しげでもあり、結構いいなと思いました。
            先週、ほんとに久しぶりに、同じお店に昼食に立ち寄った所、新しいメニューにオムデコチャーなるものがありました。デコチャーの新しいバージョンなんでしょうね。


            これは定番のものを食べている場合ではありません。早速そのオムデコチャーなるものを注文しました。やはり基本はチャーハンですが、オムライスの中身がチャーハンという趣向。周りにはソーセージやミートボール、鶏レバーやらが乗って、例によってボリュームたっぷり。学生の街のことはあります。(私には正直云って制覇するのはなかなか厳しい)

            それはそれとして、2年前の冬に華々しく(?)登場したデコチャーではありますが、どうもその後失速気味。B級グルメの大会に出たという話も聞かないし、それどころか西弘でデコチャーの幟を上げている店が、今や他にあるんだろうかという状況。

            黒石つゆ焼きそば (wikipedia)

            黒石のつゆ焼きそばの勢いとは随分違います(なんと、wikipediaに載っている ^^)。

            つゆヤキソバン

            尤も、向こうは市を上げて宣伝し、つゆヤキソバンなる、ゆるキャラまで作っていますが、こちらは一商店街での取り組み。なかなか規模的にも、難しいのかもしれません。いっそ、デコチャーマン成るものを作ってやるしか無い?

            いずれにしても、せっかくの商店街上げての取り組み。なんとか勢いを取り戻して貰いたいものですが。

            | 弘前りんご | グルメ | 06:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
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            (弘前りんご)

            自身もバロック音楽の研究者であり、演奏家であるサルデッリが書いた、”失われた手稿譜 ー ヴィヴァルディをめぐる物語 ー” では、ヴィヴァルディが亡くなった直後から漂流し始める、ヴィヴァルディが残した膨大な手稿譜が本当の主人公であり、小説の形をとっているものの、そこに書かれたことはほとんどが事実です。

            しかし、その手稿譜がたどったその後の運命は、数奇としか言いようのないものでした。

            手稿譜を借金の方に取ろうとする債権者、取られるのを防ごうとしたヴィヴァルディの弟。

            修道士会に寄付されたものの、その価値がわからない修道士たちは、それをごみのように扱い、教会の倉庫の奥に放り込でしまい、長い年月の眠りにつきます。

            その後その存在を知った貴族が個人のコレクションとして入手。

            研究し、その散逸を防ごうとした研究者と、骨董的価値にのみ注目するファシスト政府との攻防。

            いずれも手に汗握る展開で飽きさせません。

            最大の貢献者の一人、ジェンティーリが追われて大学を去るときの言葉

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            旅屋の仕事としての旅によって、契約内容を遥かに超える成果(人間関係のもつれを解き、凍てつきを融かす)がもたらされるだけでなく、主人公、そしてそれを取り巻く人々の心までも癒やしてゆきます。

            そして成功するまでは故郷には帰れないと覚悟している主人公が、故郷で待つ母のおかえりという言葉を聞ける日も間もないというところで、小説は幕を閉じます。

            まさにハートウォーミングな小説。読後にじんわりと心があたたまる作品でした。
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