弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
祝 高階秀爾さん 文化勲章受章!_美術評論のパイオニア
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    うれしいニュースが飛び込んできました。
    今年の文化勲章受章者の一人に、美術評論家の高階秀爾さんが選ばれました。
    誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。


    (Yahooニュースより)

    その他の受賞者(山中伸弥さん、山田洋次監督)のような派手さはないけれども、高階さんが日本に於ける美術批評を確立された功績は実に偉大だと思います。かく言う私も、高階さんが書かれた岩波新書の”名画を見る眼””続 名画を見る眼”を大学生の頃に読んで、美術の世界にいざなわれたと言っても過言ではありません。


    (高階秀爾著 ”名画を見る眼” 岩波新書)

    ここで紹介された画家は、ファン・アイク、ボッティチェルリ、レオナルド、ベラスケス、フェルメール、マネ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルソー、ムンク、ピカソ、モンドリアン。それまでただ漠然と好きか嫌いかと云ったレベルでしか絵を見てこなかった私だったのですが、画家の制作の意図、絵の構成に託された思い、またその絵が生まれた時代背景や作者の立場との関連性、こういったことが平易に語られ、自然と絵の中に自分が入っていくような感覚にさせられ、霧が晴れた様な思いがしたことがたびたび、そして実際の絵を見に行きたくなり、美術館通いが始まりました。

    高階さんは、現在は倉敷の大原美術館の館長をされておられますが、”高階秀爾の美術教室”と銘打ったレクチャーをたびたび行っておられます。ご在職中に、一度是非聴きに行きたいものです。


    | 弘前りんご | 美術 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
    えっ? デジタルジレンマですかあ?まいったなあ。
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      アナログは古いもの、遅れたもの、デジタルに置き換えられてしまうものと考えられています。確かに理屈はそうですが、現実はどうもそう簡単にすまされないようです。
      デジタルジレンマ。アナログより優れているデータ形式であるデジタルが、実は大きな問題を抱えていることが指摘されています。


      米国映画技術アカデミーが発表した論文によれば、デジタルの規格がたびたび変わることから、デジタルコンテンツの長期保存には、実はフィルムの保存よりもはるかに多い費用(規格変更のたびに移し替えの作業が必要)が掛かり、また長期にわたってその保存と再生が保障されないということです。
      卑近な例でいえば、確かにビデオテープの規格であるベータやVHSはもはや古い規格として位置づけられ、それに録画したものはDVDやブルーレイが主流になった家庭では再生できない場合があります。かくいう我が家もVHSの再生機はあるにはあるものの、ホコリをかぶっていて、動くかどうか心もとないですね。

      東京国立近代美術館のフィルムセンターは相模原にあり、そこには6万本以上のフィルムが所蔵されています。それらは厳密な温度、湿度の管理下に置かれ、うまくすれば500〜1000年は再生可能だそうです。いや、目から鱗でした。


      そこには単に管球式のアンプは暖かみがあるなどというプラセボ効果と区別が難しい曖昧なものではなく、現実にアナログであるフィルムの優位性を示しています。(別に管球式アンプが悪いと言っているわけではありませんので、お間違えなきよう (^^;))

      | 弘前りんご | 自然科学 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
      間もなく冬が、でもその前に (その2)
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        さて、この日の目的地だった蔦沼に到着しました。

        まず蔦温泉の背後に控える蔦沼散策路に入りました。入り口は蔦温泉本館の右手前にあります。


        散策路の入り口。すでに苔むしていて、ここから始まる風景に期待を抱かせます。


        蔦沼の名前の通り、周りの森は蔦の蔓がそこかしこに見られました。蔦沼はこの沼を中心とした大小6つほどの沼からなっています。(中には涸沼もありましたが)


        ここがそのメインの蔦沼、最も大きな沼で、また沼を取り巻く森の見事な紅葉がたびたび紹介されています。やはり、盛りには少し早かったのか、この日は全面紅葉までには至っていませんでしたが、空と水面の青に挟まれた錦はなかなか見応えがありました。


        この沼に流れ込む渓流も、苔むした岩、羊歯類、そして落ち葉に彩られて、しばらく見とれていました。


        ここは鏡沼。その名の通り、水面が周りの緑を見事に映しこんでいました。


        沼の間を巡る散策路も紅葉が進み、目を楽しませてくれました。


        こちらは長沼、三番目の大きさの沼。


        これは蔦沼についで大きい菅沼。ここまで訪れる人は少なく、静寂の中で風景を楽しめました。


        菅沼の周りも紅葉が進んでいました。


        中央がくびれた形のその名も瓢箪沼。
        のんびり歩いて撮影していると、ドキッとする警告が。


        熊、野犬が出るんですか。


        散策路最後に合った建物。特に説明版もなかったので、残念ながらその用途はわかりませんでした。

         

        蔦沼散策路を巡ってようやく出発点の蔦温泉に戻ってきました。なかなか風情のあるひなびた湯治場の雰囲気を残す建物です。シーズンには来訪者、宿泊者が多いためか、広い駐車場を持っているのですが、それが一杯で止めるところを探すのに苦労しました。


        本館入口。廊下は磨きこまれ、鏡のようになっています。いわゆる温泉旅館のようなはではでしさ(けばけばしさ?)はなく、心が落ち着きます。


        本館正面右側が、日帰り入浴(立ち入り入浴)の入り口で、500円払って入ります。
        中は撮影できないのですが、今はやりのスーパー銭湯的なものは一切なく、シンプルなヒノキつくりの浴室になっていました。特徴は、入り口から階段で10段ほど降りることも手伝って、非常に天井が高いこと。天井の木組みもなかなかのものです。
        湯温はそれほど高くなく助かりました。この周りの他の温泉には相当高い湯温のところが多く、長く浸かっていられないですから。


        温泉からあがると一時頃となったので、昼食をとりました。本館に隣接した別館には観光客、団体客向けのレストランのようなものがありましたが、その手前に土産物屋があり、そこで立ち食いソバの看板が上がっていたので、そちらにしました。老夫婦(?)が二人で結構並ぶ客を次々とさばいていました。メニューはトッピングの異なるそばとあとはおにぎり。そこで、山菜そばとおにぎりにしました。そばは津軽蕎麦風の柔らかもっちりした麺。だしはこの手のものに多いダダ辛いものでなく、かつおだしの効いた飲みやすいものでした。おにぎりはふっくらと握ったもので、なかなか行けました。お店の前の縁台に腰掛け、紅葉を愛でながらの一杯と一個。温泉と共に疲れを癒やしてくれました。
        今度はもう少し黒石寄りの猿倉温泉に行って見よっと。

        (今日のブログ、格別長くなってしまいました。最後まで読んでくれた方に感謝!)



        | 弘前りんご | 紀行 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
        間もなく冬が、でもその前に。
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          青森の冬は長いのですが、その分秋が駆け足で過ぎてゆきます。しかし、それでも紅葉の季節は確かに存在します。あっという間に終わりますが。なので、それを逃さないため、今回、以前から行きたいと考えていた中野のもみじと八甲田の特に蔦温泉、蔦沼に朝早くに出かけました。

          (中野もみじ山の全景)



          (中野もみじ山の中の神社境内にかかる朱塗りの橋)

          今年は夏が異常に暑く長かったため、紅葉の時期が後ろにずれたようで、完全な紅葉にはまだ至っていませんでした。でも紅葉したところは色がなかなか濃いですね。

          (中野神社本殿)

          なかなか趣のあるお社ですね。このとき朝7時半でしたが、ほとんど人はいませんでした。ところが午後1時頃、帰りに通りかかったときは、もう駐車場は一杯、近づくことも困難な様子でした。

          ここを出て、次に八甲田山の方に向かいました。

          途中、城ヶ倉大橋という名所があります。大きな橋から全山紅葉した城ヶ倉渓谷を見るために、車がいっぱい止まっています。

          (城ヶ倉大橋から望む岩木山)


          (城ヶ倉大橋のたもとの駐車場を囲む白樺と木漏れ日)

          (駐車場脇に置かれた狸の置物。寒い冬をまじかに控えて、誰かが着せてくれたセーター?)

          (城ヶ倉から少し走ったところにある駐車帯。ここも見事に紅葉していました)

          (紅葉の中を走り抜けるのは実に爽快です)

          さらに車を十和田湖方面に走らせ、その途中にある蔦温泉とその周りの蔦沼に行きました。
          続きはまた明日。



          | 弘前りんご | 紀行 | 00:01 | comments(2) | trackbacks(0) |
          りんごが届きました!_大学農場の農作物
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            農学系の学部のある大学だと他の大学もそうなのかも知れませんが、実習等で作った農作物を職員に実費(?)で頒布してくれます。当然、採りたて、刈たて、もぎたてです。(^^)

            今回届いたのは、りんご。その名もスターキングデリシャス。デリシャス種の芽の変異によって生まれたものですが、デリシャスの着色の悪さが改善されたとのこと。


            贈答用ではないので大きさ、色づきは不揃いで、見栄えは今ひとつかもしれませんが、味はデリシャス!という名前に負けていません。しかも値段が、これで(2kg)で300円、一個40円ちょっとです。しかも市場には出回っていない新種・新銘柄が出てくることもしばしば。今回は残念ながらタッチの差で売り切れてしまいましたが、名称未登録品種(酸味が少なく甘みが濃厚)なんてそそられるものがありました。あ〜あ、残念。 
            現物支給で、国立大教員給与10%カットを埋め合わせよう、って、
            そんなもんできるか ( ̄へ ̄)

            | 弘前りんご | グルメ | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
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            (弘前りんご)

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            旅屋の仕事としての旅によって、契約内容を遥かに超える成果(人間関係のもつれを解き、凍てつきを融かす)がもたらされるだけでなく、主人公、そしてそれを取り巻く人々の心までも癒やしてゆきます。

            そして成功するまでは故郷には帰れないと覚悟している主人公が、故郷で待つ母のおかえりという言葉を聞ける日も間もないというところで、小説は幕を閉じます。

            まさにハートウォーミングな小説。読後にじんわりと心があたたまる作品でした。
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