弘前りんご_新参者の宝塚日記

大阪から転勤で仙台8年、青森県弘前で21年暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
蔭と日本人の精神世界
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    (NipponArchives より。 http://www.nipponarchives.jp/ )

    何とも心落ち着く光景です。

    それはなぜかと考えてみました。
    この写真の構成要素である、蔀戸、障子、襖、そして畳、どれも日本人の琴線に触れる
    ものばかりということもあるでしょうね。
    しかし、この写真の魅力は、そこにさらに実に印象的な蔭があるからだと思います。
    畳の上に深い緑の影を作っています。

    谷崎潤一郎が”陰影礼賛”の中で書いていましたが、蔭が日本家屋の魅力を更に深いもの
    にしているのではないでしょうか。
    物理的に仕切りがないところに、蔭がいわば結界を形作ります。​
    その中に日本人は様々なものを感じ取ります。
    無の中に無限の美を見いだすのが、日本人の感性の有り様でしょう。
    また、たとえ見えていても見えないことにする、黒子のよう​な存在でもあります。

    それが世界に類のない日本人固有の精神世界を形作ってきた要因の1​つではないでしょうか。
    また効率化の名の下に、そういったものを普段の生活から追い出してしまったことに対する、無意識の反動(代償作用)が強い郷愁を呼び起こすのかもしれませんね。




    | 弘前りんご | 日常 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
    寝台列車の復権か?いや、これはイタイ!?
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      鉄道の未来については、あまり明るい話題がないように思います。
      身近な例でいえば、今年に入り相次いで、十和田観光電鉄の廃業や
      寝台列車日本海の廃止がありました。
      特に寝台列車の廃止は鉄道ファンに取って非常に残念なことでした。

      そんなところに、JR九州が新しい寝台列車の計画を発表しました。



      これはと思って早速サイトを探してみてみました。
      http://www.jrkyushu.co.jp/cruisetrain/
      クルーズトレイン”ななつ星in九州”と銘打って、一泊二日(九州北部)あるいは
      三泊四日(九州全体)でJR九州管内を巡るというものです。
      車両も非常に豪華。


      (以上、JR九州、ななつ星in九州のサイトより)

      なかなかJR九州やるなと思ったのですが、ツアー代金をみると、
      最も眺めの良い最後尾車両を使ったデラックススイート(定員2人)が1人55万円。
      2人だと計110万円になります。1泊2日のツアーでも1人15万〜22万円。
      (ちなみに寝台特急カシオペアの一番高いコンパートで二人で約11万円)

      しかも、新聞報道によれば、アジア各国の富裕層をターゲットにしているとか。
      確かに戦略的には、付加価値を付けて顧客を呼び寄せるというのは有りかとは思います。
      しかし、庶民にはますます高嶺の花となって、すなおに新しい寝台列車復活と喜べない
      自分がいます。

      まあ、乗り鉄を諦め、撮り鉄にしておけば楽しめないことはないですが。(^^;)





      | 弘前りんご | 鉄道 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
      フランスの風(レ・ヴァン・フランセ)
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        こんな小粋な名前の木管アンサンブル
        パユ(フルート)、ルルー(オーボエ)、メイエ(クラリネット)、ヴラドコヴィッチ(ホルン)、オダン(バッソン)、そしてル・サージュ(ピアノ)の6人。いずれ劣らぬ名手揃いです。
        ちなみにフランス出身者は、ルルー、メイエ、オダン、そしてル・サージュの4人。
        パユはスイス、ヴラドコヴィッチはクロアチアです。
        メイエとル・サージュ、オダンが立ち上げたサロン・ド・プロヴァンス国際室内楽音楽祭で共演したのが結成のきっかけとか。みんな、うどんや餃子が好きという、日本好きらしい(^^)。


        2012.04.20 東京オペラシティーのコンサートのチラシから

        彼らが演奏するMy Favorite Poulenc's piecesのひとつ、六重奏曲。
        難曲のはずですが、そのなんと軽やかで響きの豊かなこと。
        中でもオダンの吹くバッソンのふくよかな音色に聴き惚れてしまいました。

        合奏、特に少人数のアンサンブルの場合に、奏者たちがいかに楽しんで演奏しているかが、聴く者にじかに伝わってくる気がします。個々のコンサート活動などで非常に多忙であるにもかかわらず、お互い共に演奏することの楽しさから、時間を何とか調整して、2−3年に一度集まって、このような演奏会、ツアーをしているとのこと。そのような熱意が、彼らの演奏の重要なスパイスになっているんでしょうね。

        この団体はその高い技量に裏付けらているのはもちろん、その楽しむ心が聴く者に大いなる愉悦を与えてくれているように感じます。

        | 弘前りんご | 音楽 | 00:01 | comments(2) | trackbacks(0) |
        たまには食事を作るのも面倒な時がある...ということで外食しました(^^;)
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          朝から夕方まで所用で出かけていた家人。
          疲れて帰宅したのが6時。これから夕食を作るのは大変だろうと、外に買い物ついでに
          食事をすることにしました。(私が作ればいいのかもしれませんが、昼に続いて夜もと
          いうのはねえ)

          行ったお店は、家から車で10分ほどの、食事処”ポテト”


          周りはほとんどが住宅といった一角に、これまた自宅を改装したようないでたちのお店。
          看板がなければ通り過ぎてしまうところでした。
          もともとはお弁当を宅配するところから始まったとか。
          手作りの味を大事にして、料金も良心的ということで繁盛し、レストランを開くに至ったようです。

          頼んだのは、豚バラ焼き定食とエビフライ定食


          豚バラ焼き定食 900円

          十和田バラ焼きと比べて、比較的あっさりとした味付けで、これもいいなと思いました。


          大ぶりのエビフライが3尾1,200円。揚げ方も◎
          どちらにもコーヒーがついて、〆て¥2,100円でした。


          マッシュドポテトを春巻きの皮で巻いてあげたポテト巻。茶塩かカレー風味の塩をつけて
          アツアツをいただきます。3本で500円

          どれも手作りの味が感じられるもので、ボリュームも十分。満足して帰りました。
          女性は、昔も今も上げ膳据え膳が最高のようで...



           
          | 弘前りんご | グルメ | 00:01 | comments(2) | trackbacks(0) |
          いつかはクラウン! じゃなかった、カフェのマスター?
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            大のコーヒー好きです。
            自分がコーヒー好きであることを忘れるくらいに(^^;)
            朝食後、昼食後、三時、夕食後、夜と少なくとも一日5回は飲んでいます。
            出かけた先に、カフェがあればまず入って確かめます。
            週末の午後などに、好きな音楽を聴きながらコーヒーを飲めれば至福の時です。


            (ホグウッド(バッハの格好?)の指揮で、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックが
             演奏するバッハのコーヒーカンタータその他。 もうひとりは、エンマ・カークビー(ソプラノ)、
             伸びやかな声で、私の好きな歌手です。 オワゾリール 417 621−1)

            尤もそんな時間は最近とんとないですが。(ブログにうつつを抜かしているからだ、と言う陰の声が....、唯一の息抜きなのでご容赦を m(_ _)m )

            コーヒー好きが次に進む先は自明のコース。自分で納得の行くコーヒーを入れたくなる訳です。
            ドリップなら、カリタがいい、いやメリタがいい、あるいはどっちでも変わらん、要は淹れる人の気合いだ(という、体育会系の乗りで強硬に主張する人もいたり)と議論を交わし、フィルターは漂白していない方が味を損なわないとか、ネルドリップがいいとか(使った後の管理が大変で、ものぐさな私には無理?)。いやドルチェグストで十分と、混ぜっ返す人もいたりして....
            (議論に夢中になって、せっかく入れたコーヒーが冷めて、本末転倒なことに成ることも多いような )

            果ては豆の焙煎を自分でやったり、さらには豆から自分で選別せんといかんというところまで。
            幸い(?)私はそういう人達からすれば洟垂れ小僧のレベルですから、せいぜい無漂白フィルターで、お湯の温度を温度計で測りつつ、すこし注いだお湯で膨らむ豆をみながら30秒待つ間、もう少し豆の保存容器の除湿をしないといけないなあ、と独りごちて満足するレベルですが(^^;)




            秋田県の花輪高校の近くにある某喫茶店(知る人ぞ知る店です)を知人の紹介で訪れ、オーナーのご厚意で、カウンター内に入らせてもらい、実際にコーヒーを入れさせて頂きました。
            もちろん自分の淹れたコーヒーを飲んで、普段飲んでいるものと格段に違うと感じました。
            (そもそも豆が違うんじゃないの!)
            ”私より上手いじゃないか”、というオーナーのお世辞を真に受けたりと、楽しい時間を過ごせました。
            将来、クラシックの流れる室内でこんな風にカウンターに立って、コーヒーを入れることが出来れば、それもええなあ〜と思った次第です。

            | 弘前りんご | 日常 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
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            (弘前りんご)

            自身もバロック音楽の研究者であり、演奏家であるサルデッリが書いた、”失われた手稿譜 ー ヴィヴァルディをめぐる物語 ー” では、ヴィヴァルディが亡くなった直後から漂流し始める、ヴィヴァルディが残した膨大な手稿譜が本当の主人公であり、小説の形をとっているものの、そこに書かれたことはほとんどが事実です。

            しかし、その手稿譜がたどったその後の運命は、数奇としか言いようのないものでした。

            手稿譜を借金の方に取ろうとする債権者、取られるのを防ごうとしたヴィヴァルディの弟。

            修道士会に寄付されたものの、その価値がわからない修道士たちは、それをごみのように扱い、教会の倉庫の奥に放り込でしまい、長い年月の眠りにつきます。

            その後その存在を知った貴族が個人のコレクションとして入手。

            研究し、その散逸を防ごうとした研究者と、骨董的価値にのみ注目するファシスト政府との攻防。

            いずれも手に汗握る展開で飽きさせません。

            最大の貢献者の一人、ジェンティーリが追われて大学を去るときの言葉

            ”正しきものは、とこしえに記憶される” が、心に染み入ります。
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            旅屋の仕事としての旅によって、契約内容を遥かに超える成果(人間関係のもつれを解き、凍てつきを融かす)がもたらされるだけでなく、主人公、そしてそれを取り巻く人々の心までも癒やしてゆきます。

            そして成功するまでは故郷には帰れないと覚悟している主人公が、故郷で待つ母のおかえりという言葉を聞ける日も間もないというところで、小説は幕を閉じます。

            まさにハートウォーミングな小説。読後にじんわりと心があたたまる作品でした。
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