(サバティカル)
7月後半から約一カ月にわたる埼玉大学への長期出張を、サバティカルとして頂きました。
(美術館のはしご)
その長期出張期間中の土日を使って、美術館のはしごをしてきました。
*出張とはしごのどっちがメインか?なんて野暮なことは聞かないでください。
酔いしれるという点では、飲み屋のはしごと共通点があります、知らんけど ^^;)
(東京からスタート)
まず、東京六本木の国立新美術館で、同時開催されていたオルセー美術館展(ポスト印象派)と、マン・レイ展。
ついで上野の国立西洋美術館で開催されていた、ナポリのカポディモンテ美術館展。
同じく上野の東京芸術大学附属美術館で、開催されていたシャガール展。
これまた上野の東京国立博物館本館で特別展示されていた、琳派、酒井抱一の夏秋草図屏風特別展示、資料館で、土日限定で放映されている唐招提寺CG映画。
(足を伸ばして山梨へ)
場所を変えて山梨県立美術館ミレー館で、ミレーを中心に公開されているバルビゾン派の絵画。
実はこの他に、節操がないといわれるかもしれませんが、国立科学博物館で大哺乳類展、大宮の鉄道博物館、国宝松本城、川中島の合戦により危機に瀕した信州善光寺の諸仏を保護するために、武田信玄が作ったといわれる甲斐善光寺まで観てきました。
いずれも堪能させる量と内容でしたが、中でもオルセー美術館展で、アンリ・ルソーの「蛇使いの女」「戦争」、ゴッホの「星降る夜」に出会えたのが感動的でした。
しかし、個々の作品の持つ魅力もさることながら、印象派から後の絵画史の展開が、単なる史実の説明に終わらず、画家たちが新しい表現を生み出すために、どのように格闘したかが、音声ガイドがなかなか秀逸で、実物の絵を通して感じ取れたのが収穫でした。
(マン・レイ展での発見)
マン・レイ(1890年8月27日 - 1976年11月18日、wikipedia)
一方、写真芸術の始祖と呼ばれるマン・レイの作品展。
彼は画家として認められることを願っていました。
しかし、生活の糧として選んだ写真が注目され、それが芸術の域に昇華されて、逆に多くの芸術家たちにインスピレーションを与えました。
その彼の創作の軌跡の全貌を観ることができる見ごたえのある展覧会でした。
不覚にもソラリゼーションなどの写真の技法が彼によって確立したことを初めて知りました。
(カポディモンテ美術館展)
ナポリのカポディモンテ美術館展では何といっても、本展のポスターにも使われている、「貴婦人の肖像」。
作者はチーズの名前みたいなパルミジャニーノ。
モデルは誰かわかっていません(タイトルに反して、当時のトップクラスの娼婦だったという説も)。
しかし、非常に魅力的な絵です。
一方、圧巻なのはアルテミジア・ジェンティレスキの《ユディトとホロフェルネス》。旧約聖書に記載された、ユダヤの美しい寡婦ユディトの物語。彼女は町を包囲したアッシリアの将軍ホロフェルネスの寝首を搔いて町を救ったという説話を題材にしたもの。
よほど印象的なのか、多くの画家、そして音楽家がこれをテーマに作品を残しています。モーツァルトの作品も先年のモーツァルトイヤーで復活公演され話題を呼びました。
私が好きなのはその中でもヴィヴァルディのオペラ”勝利のユディータ”。特に序曲が非常に魅力的です。
(東京芸大美術館で)
さて、私の居住地にある青森県立美術館には、シャガールのバレエ「アレコ」舞台背景画全4点のうち、三点があります。
(オープンの記念展示では、残り一点もボストン美術館から借り受けて一同に揃え、観る者を圧倒しました。)
今回の芸大でのシャガール展で最も見たかったのも、モーツァルトのオペラ「魔笛」の舞台芸術作品(背景画、衣装デザイン等)です。依頼したのはメトロポリタンオペラで、新劇場のこけら落とし公演用に依頼されたもの。アレコから20年後になります。決して奇異を衒ったものではないけれど、シャガール独特の幻想的な構図と色使いが感じられるものでした。
(国立博物館特別展)
国立博物館で特別展示されていた夏秋草図屏風。
俵屋宗達、尾形光琳を継ぐ琳派の酒井抱一の代表作です。
今は別になっていますが、元は尾形光琳の風神雷神図屏風の裏に描かれていて、表の風神、雷神のそれぞれに呼応する表現を夏草と秋草のそれぞれに加え、尾形光琳への敬意を籠めています。
こんなにまとめて美術展を見た(はしごした)のは初めて。
お陰で充実した時間を過ごすことが出来ました。
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