弘前りんご_新参者の宝塚日記

転勤で21年も青森県の弘前で暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
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読み直してみて、再び感動 _ 失われた手稿譜:ヴィヴァルディをめぐる物語(フェデリーコ・マリア・サルデッリ)
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    今朝1つ目のブログは読書に関するものでした。

    それを書くにあたって、最近読んだ本を再び手にとっているうちに、この本をまた読んでしまい、また感動してしまいました ^^;)
    それは、自身が演奏家で、音楽史に関する著作もある、フェデリーコ・マリア・サルデッリの ”失われた手稿譜_ヴィヴァルディをめぐる物語”です。

     

     

    ヴァイオリン協奏曲集『四季』の名と共に、今や知らない人はいないと言ってよい存在の作曲家ヴィヴァルディ。バロック音楽の代名詞の一つなっています。

    しかし、その彼がこれほどまでの名声を再び獲得するには、実に長い時間と多くの人々の熱意、欲望のかかわりがありました。

     

    なぜ再びと書いたか。それはヴィヴァルディが、生前は一世を風靡するヴェネツィア楽派の人気作曲家だったのですが、その後ナポリ楽派の台頭により、人気を失ってしまったからです。

     

    ちなみに、ナポリ楽派といえば、当時世界の3大都市の一つ、ナポリを舞台に活躍した新しい楽派。スカルラッティを始祖の一人として、ペルゴレージ、パイジェッロ、チマローザなどが活躍し、その影響はイタリアを超えて、グルック、モーツァルトにまで及んだとされています。ヴェネツィアの都市国家としての低迷、ナポリの台頭という歴史的背景も無縁ではないように思います。

     

    その再起を掛けて出かけたヴィヴァルディは、ウィーンで失意のうちに客死し、その後すっかり忘れ去られてしまいました。

     

    ヴィヴァルディ(wikipedia)

     

    そんな彼が再び注目を浴び、再評価が進んだのは、奇跡ともいえる経緯でした。

    存在は噂としてはあったもののずっと行方不明であった、その膨大な手稿譜のコレクションが世に出たのは、第二次世界大戦が起こる少し前の、不穏な社会情勢の頃。

     

    ファシズム台頭著しいイタリアにおいて、彼の再評価に多大な貢献をしたジェンティーリ教授は、イタリア人でないという理由で、その地位を奪われてしまいました。

     

    自身もバロック音楽の研究者であり、演奏家であるサルデッリが書いた、”失われた手稿譜 ー ヴィヴァルディをめぐる物語 ー” では、ヴィヴァルディが亡くなった直後から漂流し始める、ヴィヴァルディが残した膨大な手稿譜が本当の主人公であり、小説の形をとっているものの、そこに書かれたことはほとんどが事実です。

     

    しかし、その手稿譜がたどったその後の運命は、数奇としか言いようのないものでした。

     

    手稿譜を借金の方に取ろうとする債権者に対して、身を挺して取られるのを防ごうとしたヴィヴァルディの弟。

     

    なんとか修道士会に寄付されたものの、その価値がわからない修道士達によってごみのように扱われ、教会の倉庫の奥に放り込まれたまま、長い年月の眠りにつきます。

     

    その後その存在を知った貴族が個人のコレクションとして入手したところから、また大きな展開が始まります。

     

    それに出会い、研究してその散逸を防ごうとした研究者と、骨董的価値にのみ注目するファシスト政府との攻防。

     

    いずれも手に汗握る展開で飽きさせません。

     

    最大の貢献者の一人、ジェンティーリが追われて大学を去るときの言葉

    ”正しきものは、とこしえに記憶される” が、心に染み入ります。

     

     * 昨年同日の記事の改訂版です。

     

     


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    #ヴィヴァルディ #手稿譜 #サルデッリ #ヴェネティア #数奇な運命 #再評価 #ナポリ #ナポリ楽派  

     

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