2017.05.27 Saturday
今日5月27日は、ルオーの誕生日_芸術家の友情とは?
あべのハルカスの美術館では、今マチスとルオーの作品と二人の交流を軸にした美術展が明日5月28日まで開催中です。
ルオーとマチスは、共に象徴派の巨匠ギュスターヴ・モローの門下で、共に学び切磋琢磨した間柄ですが、その画風は時と共に全く違ったものに。
ギュスターヴ・モロー自画像(wikipedia)
モローは、自分の画風を押し付けるようなことはなく、それぞれの個性を大事にし、その才を引き出す名伯楽だったようですね。
(1871年5月27日 - 1958年2月13日)
そんなモローをルオーは一生敬愛し、モローの死後はモローの旧居を開放したギュスターヴ・モロー美術館の初代館長を務めました。
キリストと漁夫たち(汐留ミュージアム所蔵)
また、ルオーは自分に厳しく、いったん仕上がった作品でも、その後も納得がゆくまでずっと加筆を続ける作家でした。そして、晩年には自分の死までに完成に至らない見込みの作品を数多く火にくべて燃やしてしまいました。
そんなルオーですが、タイプの違うマチスとの間の友情は、50年もの長きにわたり、ずっと変わりなく続いたようです。交換書簡も多く残っています。
今日はそんなルオーの誕生日。
ところで、友情と言えば、同じくマチスとピカソとの間のそれも知られています。
その機微については原田マハの”ジベルニーの食卓”(短編集)の一章(うつくしい墓)で紹介されています。最初はその芸術感の違いから激しいライバル意識を持ったようですが、それがお互いを認め合い、友情へと昇華していったようです。