弘前りんごの北のまほろば

司馬遼太郎の”街道をゆく”のタイトル”北のまほろば”に魅せられて、本州最北端の県にやってきました。日々見聞きしたこと、感じたこと、考えたことなどをつれづれなるままに綴ります。
登場人物がみんな仮面をかぶっている! 東野圭吾最新作『マスカレード・ナイト』
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    第一作の『マスカレード・ホテル』を読んだ時のワクワク感から、加賀恭一郎シリーズとは随分とテイストの違った魅力的な舞台を得たシリーズが始まるのかと、多いに期待しました。しかし、その後第一作以前を描くマスカレード・イブが出たきり、後が続かず残念な思いがしていました。

    しかし、今回本来の意味での第二作『マスカレード・ナイト』が出ると知り、予約して購入。一気に読んでしまいました。

     

    東野圭吾『マスカレード・ナイト』集英社

     

    タイトルのマスカレードとは、仮面の意味。

     

    ベニスの仮面カーニバル(wikipedia)


    ホテルの宿泊客はビジネスであれ、バカンスであれ、あるいはラブアフェアでの利用(^^;) であれ、表からはわからない事情を抱え、いわば内面を隠すために仮面をかぶっている。それを十分に把握しつつ、そこに触れることなく出来る限りのサービスを提供する(対応する)のがホテルのスタッフ。

    一方、そこで起こる事件を解明するべく乗り込んできた警察は、犯人であってもなくても捜査のためにその仮面を暴こうとします。その両者のせめぎあいが、いやが上にも緊張感を高めたのが第一作でした。

     

    ところが、今回も舞台は同じ超高級ホテルですが、大晦日の夜に催されるマスカレード・ナイトというイベントが小説のいわばクライマックスに設定され、そこで起こるであろう事件の予告が警察にもたらされたところから話は始まります。

    マスカレード・ナイトとは仮面を付けた仮装パーティー。内面だけでなくさらに実際に登場人物の多くが仮面を付けることで、ホテルスタッフにとっても、警察にとっても状況把握は困難さを増し、より一層事態は錯綜を余儀なくされます。

     

    それがメインのプロット。このシリーズの面白さは、(高級)ホテルとはどういうものか、サービスとはどういったものかを教えてくれる点にもあります。

     

    ホテル・コンシェルジュ(wikipedia)


    その象徴的な部門がコンシェルジュ。主人公は今回そこに異動して、実に様々な客達からつぎつぎと要望(無理難題?^^;)を寄せられます。”出来ませんは禁句”をモットーに知恵を絞ってこなしていきます。本当にそんなふうなのか、普段、学会出張でビジネスホテルにしか泊まったことの無い、しがない研究者が知る由もありませんが ^^;)

     

    久しぶりに東野圭吾のエンターテイメントたっぷりの小説を味わえました。

     

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    | 弘前りんご | 文学 | 06:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
    ヒーローのいない大乱_応仁の乱
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      間もなく公示される衆議院の総選挙。

      それに絡んで、R4の後に党を立て直すために選んだはずの”言うだけ番長”が、結果的に緑の党に身売りする死刑執行人となってしまったというブーメラン党。このドタバタに関してコメントを寄せた熊本のお殿様の末裔の方は、「(安倍政権を倒す)倒幕が始まるのかと思っていたら、応仁の乱みたいにぐちゃぐちゃになってきた。」と、ご自身のご先祖様のしでかしたことを揶揄する始末 ^^;)

      この9月以降のドタバタは、まさに政界お笑い劇場でした。しかし、本当のところ、笑い事ではないのですが。

       

      さて、前置きはそのくらいにして、本の紹介です。

      呉座勇一 『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)

       

       

      応仁の乱は、日本国内で起こった戦乱の中でも、最大級の内乱です。

       

      それだけ歴史的な意味合いが大きいにも関わらず、例えばNHKの大河ドラマのテーマに選べば(花の乱)、その視聴率は”平清盛”が記録更新するまでは、最低レベルになるなど、人気がありません。

      それはなぜか。十一年の長きにも亘ったため、京の都を荒廃させたその大乱の原因が今ひとつわかりにくいということもあるでしょう。もちろん、畠山家の家督相続がトリガーになり、時の将軍義政の統治能力のなさがそれを収斂させるより拡大させる方に働いたということはいえるのですが、やはり英雄に欠けるという点が人気の無さの大きな原因のひとつでしょう。

       

      東軍の細川、西軍の山名のいずれも、たとえば保元・平治の乱以降の源平の争いの後白河上皇、平清盛、頼朝、義経などのようなカリスマ性は感じられません。戦国時代になれば、綺羅星の如く英雄が全国に割拠していました。

       

      しかし、本書の著者は、そんなグダグダで魅力に乏しそうに見える応仁の乱が、実はそれまでの社会体制を崩壊させ、戦国時代を導いた大乱として歴史的に非常に重要であることを踏まえ、その本当の原因、要因を明らかにしようと試みています。

       

      そこで、当時何かときな臭かった奈良の宗教界(著者は火薬庫とよんでいます)から二人の人物、経覚と尋尊(いずれも興福寺の別当=トップとなった僧侶)を切り口にして、宗教と政治の絡み合いを解きほぐしてゆきます。

       

      今の日本の政界もドロドロ、グダグダですが、この本からなにか理解の手がかりが得られるかも ^^;)

       

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      | 弘前りんご | 文学 | 07:15 | comments(0) | trackbacks(0) |
      この本で、いかに日本の近代政治史を正しく理解していなかったかを痛感させられました。
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        その本とは、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(江崎道朗、PHP新書)

         

         

        私は、いわゆる陰謀論は信用しませんが、最近次々と公開される日本に関するアメリカの公文書にその証拠があれば別です。

        例えば、大政翼賛会とは、”全体主義を目指す国家革新運動であり、右翼に依って担われ、左翼知識人がそれと戦った” ものと思って居ましたが、それは大いなる誤解であって、実は右翼全体主義者(保守自由主義者とは全く異なる)の動きに、左翼全体主義者(昭和研究会に集まった左翼知識人など)結びついて、ファシズム運動を興し、担っていたということ。

        これを読んで、くらくらと目眩がする思いでした。

         

        そのルーツを辿れば、ソビエトの打ち立てたコミンテルンの行動原理(すなわち、資本主義国の中に深く入り込んで政治を裏から操り、例えば戦争を起こさせ、長期化させて疲弊を導き、その体制を崩壊させて、敗戦革命を起こす)に基づいて居るということです。

         

        中国との戦争(あえて支那事変と呼んで矮小化し、軍部が独走できるようにした)を長期化させ、結局日本を敗戦に追い込んだのは、確かに陸軍の統制派が覇権を握って暴走したという面はありますが、それもその方向に誘導したのは上記の事情によるということ。

         

        また、今は一緒くたに扱われていますが、保守自由主義と右翼全体主義は異なり、前者は戦争を避け、やむなく戦争に至っても早期に終結させるという立場だした。一方、右翼全体主義は左翼全体主義と結局は共闘して日本を戦争へ、そして長期化させて結局は敗戦へと誘導していった事実をはっきりと認識する必要があります。

         

        レーニンとスターリン

         

        レーニンの共産主義は、結局ソ連でもその他でも、国の経営には大失敗し、崩壊しましたが、日本を含む他国に潜入して戦争へと誘導するという行動は多いに成功し、今も生き続けて居るようです。

        昨今のマスメディア、野党が捏造してでも、なにがなんでも現政権を倒そうというところに、その匂いを感じます。

         

        大東亜戦争における愚を繰り返さないためには、それらを単に力で押さえつけるのではなく、そのメカニズムをよく理解し、そのような動きを未然に防ぐ手立てを考えなくてはいけないと思わされました。

         

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        | 弘前りんご | 文学 | 05:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
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        マスカレード・ナイト
        マスカレード・ナイト (JUGEMレビュー »)
        東野 圭吾
        大晦日の夜に催されるマスカレード・ナイトという、高級ホテルでのイベントが小説のクライマックスに設定され、そこで起こるであろう事件の予告が警察にもたらされたところから話は始まります。
        宿泊客のプライバシーを守るホテルスタッフと、それを捜査のためには明らかにする必要のある警察との間のせめぎあいの中、ドラマ、事件は進行します。
        もう一方の読みどころは、ここまでやるのか、やらされるのかという、ホテルのコンシェルジュという部門の役割。
        ホテルを舞台にした、東野圭吾の新境地です。
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