(本来の目的? ^^;)
西宮、芦屋の文化財建造物の見学がもう一つの目的でした。
朝9時に、京都文マネ13期6人が阪神西宮に集合。
まずは西宮を西宮たらしめた、えびす宮総本社の西宮神社へ。
本殿。三連春日造の優美な姿
拝殿
現在本殿、拝殿は瓦吹き替え工事中のため、祀られた神様方はすぐ西の仮本殿に移られていました。
ここの文化財登録は所属する阪文建が担っていて、何度か中に調査で入らせてもらいました。
重文指定の南大門(10日えびすの福男レースのスタート地点として有名)と同じく大練塀。
(旧辰馬喜十郎邸と酒ミュージアム)
ついで、西宮郷一の酒造会社である辰馬酒造関連の施設を見学。
まずは今は本辰馬に吸収されましたが、本辰馬10代目当主辰馬吉左衛門の四男で南辰馬初代当主喜十郎の旧邸を見学。当時の気分を示す建物で、神戸英国領事館を模して建てられたという興味深い建物です。残念ながら阪神淡路大震災後は中の見学はできなくなっています。
旧辰馬喜十郎邸
そしてそのすぐ北の白鹿酒ミュージアム(本辰馬)では酒造りの過程をオーディオガイドの説明を受けながら見て回りました。
灘酒飛躍の契機となったのが宮水発見でした。その記念の井戸を白鷹(北辰馬)の敷地そばで見ました。
そして酒蔵通りに戻って東へ。蔵開きの会場の日本盛 煉瓦酒造館へ。
そこでの様子は昨日のブログで紹介しましたが、昼酒飲みすぎました ^^;)
"同期の桜?で酒を酌み交わす ^^;)"
http://kitamahokif.jugem.jp/?eid=5315
(次に今津郷)
更に東へ。灘五郷の東の端にある今津郷です。
休憩のつもりで入った大関のアンテナショップ、甘辛関寿庵でしたが、饅頭やその他の和菓子、抹茶はスルーして ^^;)、大関の自販機へ ^^;)(上述の昨日の記事 参照 http://kitamahokif.jugem.jp/?eid=5315)
そしてその道を挟んで向かい側になる今津小学校に残る、今津六角堂を見学。
今津六角堂は、今津村立小学校の校舎として明治15年に建てられたもので、現存する小学校の洋風校舎としては松本市の開智小学校についで古い建物です。
六角堂の名前は、正面玄関上のバルコニー部分が六角形になっていることから。
建設にかかった費用は8000円。これは、当時今津・津門村の1年間の予算とほぼ同額であったといわれ、かなり高額なものでした。
しかし、「今津に美しい校舎を」という思いから今津・津門村の有志が5200円を寄付し、建築にこぎつけることができたといいます(西宮市政ニュース 2012年10月10日 第1398号)
明治の頃の教育にかける熱い想いが伝わってくる話です。今のお役人にこの爪の垢でも煎じて飲んでいただきたい (*^^*)
(芦屋へ)
ついで芦屋に向かいました。
阪神芦屋駅の真北、歩いて1−2分のところにある芦屋警察署からスタートしました。
(芦屋警察署)
ここは、ロマネスク風の建物。
当時兵庫県営繕課の営繕課長であった置塩章が関与していると思われます。
ちなみに尼崎警察署(1926建造)は置塩章が手掛けています。
阪神・淡路大震災(1995年)に見舞われ、また老朽化の問題もあったため、1927年に建造の旧建物の玄関部分とファサードを残して、残りの部分を新しく建て替えたものです(2001年)。新・旧の建築が違和感なく繋がれおり、我々文化財保護を考える者にとって、部分保存の一つのあり方と見えました。
(カトリック芦屋教会)
ついで、カトリック芦屋教会。現在の聖堂は長谷部鋭吉の設計(1956年)。
ここは度々聖堂内でのコンサートで訪れていますが、外観も芦屋のランドマーク的存在としてふさわしいものです。ちょうど演奏会が催されていたため、中を見ることができず、残念でしたが。
後述の芦屋仏教会館とともに、芦屋市の景観重要建造物の第一号として指定されています。
(芦屋モノリス)
今度はそこから東に行って、芦屋モノリスへ。
芦屋モノリス
元々、芦屋郵便局電話事務室として、逓信省技師、上浪朗が設計し、1929に竣工した洋風建築。
阪神間モダニズム建築の好例です。
しかし、その歴史はなかなか波乱万丈。戦時中は防空迷彩のため、コールタールで真っ黒に塗装され、戦後はリシン吹き付け塗装で逆に白い外観でした。
1981年に電話交換局としての役割を終えると民間に移り、それらの塗装が剥がされ、新築当初の2色のスクラッチタイルに戻され、現在は芦屋モノリスと言う名のレストラン・結婚式場として活用されています。
(業平橋)
再び芦屋川沿いに戻り、業平橋を渡って西岸へ。
これは、芦屋川にかかる国道2号線の橋です。
初代は1917年(大正6年)に木造の橋として架橋されました。
国道の交通量の増大により、1925年(大正14年)に現在の業平橋(2代目)にかけ替えられました。1974年(昭和49年)まで橋の中央に路面電車(阪神国道電軌、のちの阪神電気鉄道阪神国道線)が走り、橋上には芦屋川停留所が設けられていたそうです。業平橋の名は、芦屋に暮らしたとされる平安時代の歌人、在原業平に由来します。
2012年、芦屋川の文化的景観の一つとして指定され、更に2018年、土木学会選奨土木遺産に認定されました。
(芦屋仏教会館)
芦屋川西岸に沿って立つ、RC造地上4階建ての建物。昭和2年(1927年)竣工の建物です。
近代建築に東洋風、インド風の細部意匠を取り入れたデザインは、片岡安の設計。
国の登録有形文化財となっています。
今も仏教関係のみならず、コンサートの貸館などとしても活用されています。
(ヨドコウ迎賓館)
最後に訪れた、この日の見学のメインイベントである、ヨドコウ迎賓館。
近代建築の三大巨匠の一人、フランク・ロイド・ライト(あと二人はル・コルビュジェ、ミース・ファン・デル・ローエ)の設計で日本に残る3つの建物の一つ。あと一つはファサード部分のみを明治村に移築された、帝国ホテル二代目本館のものが残るだけです。
今回ここを選んだのは、ライト建築で、重文の建物であるというだけでなく、灘五郷の一つ、魚崎郷の山邑酒造(現在の櫻正宗株式会社)の8代目当主であった山邑太左衛門が自邸としてこの建物の設計をライトに依頼して建てられたからで、蔵開きツアーにもふさわしいと考えたからです (*^^*)
私自身はこれまでに数度訪れていて、ブログにも書きましたので、詳細はそちらを参照していただければと思います。
"弘りんの芦屋散歩(3)フランク・ロイド・ライトの建てたヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)"
http://kitamahokif.jugem.jp/?eid=4054
しかし、何度訪れても、2階の応接間に入ると、とても落ち着くのは変わりません (*^^*)
そこの見学を終えて、打ち上げ会場(摂津本山)に向かいました。
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