弘前りんご_新参者の宝塚日記

転勤で21年も青森県の弘前で暮らした関西人が、関西圏とはいえ、大阪とは違った土地の宝塚に住み、いわば新参者として暮らす中で、見聞きしたこと、思ったことをつれづれに書き綴って行きます。
登録文化財の調査も今回で三回目。兵庫県川西市の川西郷土館 旧平安邸
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    (文化財調査第三弾)

    今年に入って、1月だけで3箇所の調査に参加しました。

    まったくこれまでの自分の専門外のため、勉強しなくてはいけないことが山積みです。

    しかし調査そのものは実に楽しいです。フィールドワークの面白さというか。

    いずれヘリテージマネージャーの資格を取ろうと夢見ています (*^^*)

     

    (川西郷土館旧平安邸)

    さて、兵庫県川西市下財町にある、川西郷土館。

     https://www.city.kawanishi.hyogo.jp/shiseijoho/shokai/kankouannai/1003058/kankou_kyodo.html


    ここ川西市下財町は、かつて銅の精錬で栄えた街です。

    今回の調査対象の登録文化財は、その郷土館を形成する建物群の中の一つ、旧平安邸です。

    銅の精錬を生業とした平安家の邸宅兼作業場だった建物です。

    ちなみに平安へいあんではなく、ひらやすと読みます。

     

    これは大正中後期に建てられました。

    伝統的な民家の構造に明治以降に広まった数寄屋風の作りが合わさった独特の建物です。

     

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    多田銀銅山最後の製錬所として昭和初期頃まで操業していましたが、現在はその縁を偲ぶ資料館になっています。

     

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    隣の敷地には、明治の洋館風の建物、旧平賀邸(こちらも国の登録有形文化財)があり、旧平安邸の純和風と好対を成しています。

     

    DSC08801.jpg

     

    (旧平安邸の見どころ)

     

    銅の精錬を手掛けていただけあって、雨樋が銅製、建物の各所にある装飾も多くが銅製で、盛時の面影を見ることが出来ます。

     

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    照明もなかなか素敵です。

     

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    欄間の意匠もなかなか素敵でした。

     

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    また裏庭には、銅の精錬で出てくるスラグあるいは鉱滓(こうさい)が無造作に置かれていました。

     

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    盛時の反映を思わせるいくつもの蔵。

     

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    そして大きな中庭

     

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    そして母屋は6−8畳のサイズの部屋が、3間ずつ並列に並ぶ6間構造で、その上に大きな入母屋の屋根が覆っている構造です。

     

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    その六間取りの部屋では、2月から始まるひな祭りのひな壇のセッティングが行われていました。

     

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    飾り付けは一日がかりだそうです。

     

    今回の調査は、屋根や壁の状態だけでなく、床下に入っての状態調査もあり、なかなか大変でした。

    しかし、普通はまず見ることが無いので、貴重な経験となりました。

    調査の詳細は部外秘のため、ここには書けませんが、多くの所見を報告することになりました。

     

     

    川西郷土館(http://www.kawanishi-hyg.ed.jp/kyodokan/)

     

     

     


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    #登録文化財 #調査 #兵庫県川西市 #川西郷土館 #旧平安邸 #数寄屋風 #多田銀銅山 #銅の精錬 #旧平賀邸 #洋風

     

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    | 弘前りんご | 建築 | 20:22 | comments(0) | - |
    登録文化財の調査、第二弾。今津灯台
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      (下り酒)

      灘、伊丹、池田で作られた日本酒が江戸に運ばれる、いわゆる下り酒は、今津の港などから船で運ばれました。

      運搬は初めは菱垣廻船(ひがきかいせん)でしたが、いろんな荷物を一緒に運ぶため、出船までに日数がかかり、お酒の味が落ちやすいという問題などがありました。

       

      そこで酒造家たちは独自に組合を作り、酒専門に運ぶ樽廻船(たるかいせん)の運用を始めました。江戸時代中期のことです。

       

       

      酒専門なので積み込みが合理化され、運搬に必要な日数を短くできました。江戸時代中期のことです。

      尤もその後、その迅速な運用が評価され、酒以外にも、米・麹なども運ばれるようになりましたが。

       

      (今津灯台)

      その今津の港に古い灯台(今津灯台)が立っています。

       

       

      今から230年ほど前に建てられたもので、現在も灯台として機能しています。現役灯台としては日本最古です。

      その所有者は、あの大関酒造ですが、西宮市の登録有形文化財に指定されています。

       

       

      今津灯台

       

      (調査の目的は?)

      今津港の運用と安全性担保のため、新たに水門(上の写真の灯台の向こう側に見える2つの鉄筋が見える建造物)を建造することになりました。

       

      位置関係から分かるように、それが建つと灯台がその役割を果たせません。

      そこで、この灯台を新しく設けられる水門の外側に移設する必要が生じました。

      今回は、その移設の方法を検討するための、灯台の構造調査です。

       

      一応設計図に当たるものはあります。

      しかし230年の間に、度々補修や腰板の葺き替えなどがされています。

      実際に立ち入って確かめてみないと、移設計画が建てられないということで、今回の調査になりました。

       

      (内部に入る)

      土台は御影石の石垣と、その上の青竜山石の基壇で、さらにその上に灯台が建っています。

       

       

      鍵を開け中に入りました。

       

      下から屋根部分まで貫く柱が4隅に立ち、その柱が土台と重しの石で固定されています。

       

      4メートルほどの高さの細いはしごで上がったところが光源部

       

      光源部分

       

      格子窓と銅葺き屋根

       

      電気のない時代は燭台で、格子窓にはその火が消えないように障子紙が貼られていました。

       

      (移設時の運搬の問題)

      できるだけ現状維持で移設したいという所有者の意向と、現実の運搬上の問題とのすり合わせがなかなか難しい問題です。

      全て解体して、移設場所で再構築できるのであれば、運搬上の問題は無いのですが、コストが掛かるという問題があります。

      一方、解体せずに運ぶとすると、大きさの問題(まるごとだとトレーラーに積める大きさを超える)があります。

      更に立てて運べないので(高さが規制値を超えるため)、横にする必要があります。

      その場合には脆弱そうな木造袴腰に力が掛からないように養生する必要がありますが、それをどういう形にするかも考える必要があります。

       

      色々と検討課題が明らかになった調査でした。

      移設のタイムリミットはおよそ2年後。そのための計画は1年以内に建てることになります。

       

      それはさておき、個人的にはこういう貴重な施設の内部に入る機会が得られたのは幸いでした。

       

       


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      #登録文化財 #調査 #今津港 #今津灯台 #下り酒 #灘 #伊丹 #池田 #樽廻船 #菱垣廻船 #江戸時代

       

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      | 弘前りんご | 建築 | 05:48 | comments(0) | - |
      単なるゼネコンではなかった竹中工務店_建築と社会の年代記展(神戸市立博物館)
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        (通天閣、東京タワーを立てた建築会社)

        竹中工務店というと、通天閣東京タワーあるいは東京ドームなど、最近ではあべのハルカスを建てた大手総合建設会社(ゼネコン)と言う認識でした。

        ところが今回、リニューアルされた神戸市立博物館で開催されている”建築と社会の年代記_竹中工務店400年の歩み”展を見て、認識を新たにしました。

         

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        (寺社仏閣の建築修繕からスタート)

        今から400年前、織田信長の元家臣の初代竹中藤兵衛正高は、本能寺の変で信長が死去したことを機に武士の身分を離れ、寺社仏閣の造営に携わるようになりました。

         

        スーパーゼネコン(売上高1兆円を超える、竹中工務店、大林組、清水建設、大成建設、鹿島建設)5社の中で最も歴史が古く、唯一大阪に本社機能を置き、なんと非上場企業です。

         

        (新しい工法を考案して困難を乗り越える)

        いわば宮大工から出発した竹中工務店(工務店という名称は竹中工務店が作り、使い始めたもの)。

        織田の尾張ということで、名古屋を中心に長らく寺社仏閣の建築を手掛けてきました。

        そして明治期に神戸に進出し、いち早く新しい西洋建築工法を導入して、新たな発展をします。

         

        そして建築するにあたっての厳しい条件をクリアするために、新しい工法を次々と考案、あるいは採用して行ったんですね。

        最近の例では、あべのハルカス

         

        あべのハルカス(wikipedia)高層ビルとしては日本一の高さ

         

        立地ギリギリに一般道が走り、下を走る鉄道、商業施設の営業を止めることもできません。そのため、工事中にたとえ小さなものでも落下すれば大事故に繋がります。竹中工務店の作業所長が「日本一難しい現場」といったとか。

         

        その危険を回避するため、建築階を外側から包む様にカバーを設け、そこが終わればそれを上にスライドさせて上層階の建築を行うというスライドカバー工法を考案しています。

         http://www.abeno.project-takenaka.com/h300/h300-04.php

         

        あべのハルカスは、2015年に日本建設業連合会主催の第56回BCS賞を受賞しています。

         

        他にも色々と新しい工法についての展示があり、興味深かったです。

        特に防潮堤に代わる津波減衰装置

        防潮堤のように津波の力を全て受け止めて耐える原理のものでは、東日本大震災時のレベルの津波だと、超巨大なものを作らざるを得ず、莫大な費用がかかる上、環境、景観上も望ましいものではありません。

        そこで、柳に風のように津波を受け流しながら津波の力を著明に減衰させる方法が考案されていました。

        まさに目からうろこです。まだアイデアの段階のようですが、早く実現してほしいものです。

         

        正直言って、展覧会を見る前は、お金をとって自社の宣伝のような展覧会をやるのか、なんて不遜な考えを持っていましたが、今は全くそのような思いは消し飛んでしまいました。

        そもそも主催は竹中工務店でもありませんし。

         

        じつに面白い内容で、一建築会社の400年に亘る歴史を顧みることで、日本の建築史を概観できるという意味で、とてもいい展覧会でした。

         

         


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        #神戸市立博物館 #リニューアルオープン #建築 #竹中工務店 #創業400年 #織田信長 #普請奉行 #本能寺の変

         

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        | 弘前りんご | 建築 | 17:27 | comments(0) | - |
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