弘前りんごの北のまほろば

司馬遼太郎の”街道をゆく”のタイトル”北のまほろば”に魅せられて、本州最北端の県にやってきました。日々見聞きしたこと、感じたこと、考えたことなどをつれづれなるままに綴ります。写真、音楽、そして本好き(万葉集)なアラ還です。
学術講演会なのに、漫談よりもおもしろかった! 本郷和人氏講演会 _ 東北を歴史から考える − 津軽を中心に −
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    (講演会)

    FBの友達から案内をいただいたので、弘前市民会館大会議室で開催された、本郷和人氏講演会を聴きに行ってきました。

     

     

    (講演会の案内の、FBページより)

     

    本郷和人氏は、日本中世史を専門とする歴史学者で、東京大学史料編纂所教授です。

    最近は、NHKの ”偉人たちの健康診断" という番組のコメンテーターとして、テレビで見た方も多いかと思います。

     

    会場の、弘前市民会館管理棟(ホールとは別の、大会議室のある棟)に向かいました。

    開始30分ほど前に着いてしまったのですが、すでに定員90名の席の半分以上は、お年寄りによって埋まっていました。

    まあ、平日の昼間なので、そうなるだろうとは思っていましたが、自分も客員研究員の自由の身になったおかげで来れました (^_^;)

     

    (講演会の内容)

    講演会は2部に分かれていて、第一部は主催団体”紫陽花の会 なとわ” による、日本のエネルギー問題を考えようという講演でした。

     

    2011年以降、国民の原子力アレルギー(多分に、当時の政府やマスコミの誘導によるものが大きいと思いますが)が発症しました。その直前には火力発電(石油、LPG,石炭)の電力量が66%だったものが、そのせいで2011年83%に拡大し、それまでのCO2温暖化の問題など吹っ飛んでしまった感があります。

    政府、マスコミ、そして国民の、CO2問題への取り組みが、いかにファッションに過ぎなかったかを、如実に示しています。

     

    また、日本のエネルギー自給率は2010年には20%あったものが、それ以降9.5%にまで落ちています。

    にもかかわらず、石油、LPGを中近東に依存し、地政学的に極めて高いリスク(いつ何時、その輸送路を遮断されるかもしれない)抱えています。

     

    この矛盾を解決するための最大の障害が、国民の無関心、無知だということです。

    こういった講演会が少しでもそれを改善できることを願っています。

     

    (本郷和人氏の講演)

    さて、本命の本郷和人氏の講演ですが、最初に枕として振られた話が、なんと、テレビに頻繁に出てくる大学の先生は偽物だというもの (^_^;) 大学にも、学会にも居場所がない(大事にされていない)人が、活路としてテレビに出ているというのです。

    ”お前はどうなんだ”とご自分でツッコんでましたが、本郷氏は自分は大学にも、学会にも居場所はあり、大事にされていると。

    ただ、家に居場所がないからテレビ(NHK、偉人たちの健康診断)に出ているんだという自虐的ギャグで、まず笑いを取っていました (^_^;)

    また、意外な津軽とのご自身のつながりも披露されて、聴くものを惹き込んでいました。

     

     

    しかしその後は、真面目なお話。もちろん笑いを取ることを忘れていませんでしたが (^o^)

    歴史学が学問として成立するためには、検証可能なことが重要で、そのためには一次資料(当時に成立した古文書等)が必要。それが無い場合は、考古学、民俗学を援用して、肉付けしていく必要があるとの意見に、納得しました。

     

    そして、津軽に即した話では、立ち上がるたびに何度も打ちのめされてきたと東北の歴史にスポットを当てました。

    その中で、なぜ津軽が江戸幕府にそれほどいじめられずに来たのかという問題を取り上げ、幕府のブレーンだった天海とのつながりなどで例証していきました。

     

    また、これまでの日本は西日本中心に進んできて、行き詰まってきている。まだまだ未開拓の余地がある東北を、学問研究だけでなく、社会的インフラの開発の対象とすることで、もっと発展できるのではないかという見解も披露されていました。

     

    講演時間1時間強、ほとんど息を切らす事なく話し続けるマシンガントーク (^o^)

    しかし、要所要所を締める展開で聴くものの気をそらすことが有りませんでした。

    その後の質疑応答も力が入っていました。

    出来ることなら、こんな講演を自分でもやってみたいなあ、というのが率直な感想でした。

     

    いずれにしても、有意義な会に参加できて、お誘いいただいた畑山さんには感謝です。

     

     


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    #エネルギー問題 #原子力 #本郷和人 #講演会 #NHK #偉人たちの健康診断 #弘前市民会館 #大会議室 #東北を歴史から考える #津軽 #満天姫 #天海 #石田三成 #杉山源吾

     

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    | 弘前りんご | 歴史 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
    和歌山が生んだ偉人とは。濱口梧陵
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      和歌山県(国土交通省、wikipedia)

       

      以前、和歌山の方には大変失礼ながら、和歌山県は歴史的役割を終えた県だなんて暴言を吐いてしまいました。いささか弁解させてもらうなら、全国レベルだけでなく、近畿地方でも、その存在感は大きいとは思えなかったからです。

      しかし、幕末以降、歴史的な業績を残した人物を多数輩出しているという点では、和歌山県は日本の中でも有数の県だということは認めざるを得ません。
      知の巨人南方熊楠しかり、巧みな外交手腕を発揮して明治の不平等条約の撤廃に功績のあった陸奥宗光、世界に誇る楽器、音楽製品製造ヤマハの創始者山葉寅楠、ビタミンAの単離精製に世界で初めて成功し、当時の多くの日本人を救った高橋克己などなど。

       

      (濱口梧陵 肖像画 )

       

      しかし、今最も忘れてならない人物といえば、浜口梧陵ではないかと思います。
      銚子の醤油製造業(現ヤマサ醤油)の当時7代目の当主だった彼の、安政南海大地震で地元、紀伊国広村(現在の和歌山県広川町)の村民の多くの命を救った行動、震災の被害で身動きがとれなかった紀伊藩を頼らず、私財を投げうっての復興事業。その時将来を見越して作った堤防が88年後の昭和南海地震での津波から住民を救った事実。そして重要なのは、それらの行動が彼の真の意味での教養によって裏付けられたことでした。どれをとってもまさに  noblesse oblige の精神で貫かれた生涯に頭が下がる思いです。

      さらに地方の地盤沈下と云われる現在、考えさせられることは、浜口にとって、江戸、銚子はあくまで商売の便宜上の存在であって、いわば枝葉であり、根っこはずっと紀伊の広村であったこと。地域活性化といっても、東京一極集中であるかぎり、本質的な改革にはつながらないと思えます。

      恥ずかしながら、私もこのことをずっと知らずにきたのですが、戦前には全国の学校教科書で”稲むらの火”という、安政南海地震で彼の取った行動が、読み物として紹介されていたようですね。戦後は戦前の否定から始まったといわれますが、こういった日本人として誇りに思える大事なことまで葬ってしまったことが大変残念です。また却って外国の人の方がよく知っているという現実があります。このことだけではなく、ぜひ語り継がなければならない多くのことがあるのではないでしょうか。

       

       

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      #和歌山 #偉人 #濱口梧陵 #​稲むらの火 #安政南海地震

       

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      | 弘前りんご | 歴史 | 11:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
      今日5月30日は、オルレアンの乙女、ジャンヌ・ダルクの命日です。
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        Joan_of_Arc_miniature_graded.jpg

        ジャンヌ・ダルク(wikipedia)

         

        英仏百年戦争のさなか、神の啓示を受けたというオルレアン生まれの少女が彗星のごとく現れ、それまで劣勢だったフランス軍に勝利をもたらしました。

         

        Jeanne_d_Arc_(Eugene_Thirion).jpg

        ウジェーヌ・ティリオン:大天使ミカエルの声を聞くジャンヌ・ダルク(wikipedia)

         

        その名はジャンヌ・ダルク。亡くなったときは20歳前。

         

        シャルル7世戴冠式のジャンヌ・ダルク(wikipedia)

         

        しかし、英仏の指導者間の取引によって、一転国家的反逆者とされた彼女は、不服従と異端の疑いで異端審問に掛けられます。

         

        Joan_of_arc_interrogation.jpg

        ポール・ド・ラ・ローシュ: 審問を受けるジャンヌ・ダルク(wikipedia)

         

        そして5月30日火刑台に送られ、その短い一生を終えることとなりました。若者なら、大人って汚いって言うところなんでしょうけど。

         

        Stilke_Hermann_Anton_-_Joan_of_Arcs_Death_at_the_Stake.jpg

        ヘルマン・シュティルケ:火刑台のジャンヌ・ダルク(wikipedia)

         

        その25年後に、ローマ教皇カリストゥス3世の名で開かれた復権裁判で無罪と殉教が認められ、フランスの守護聖人の一人となりました。

         

        そのあまりにも波乱万丈、あまりにも短い生涯に啓示を受けた多くの作家、芸術家が彼女を取り上げた作品を発表しています。

        古くはシェークスピア、フリードリヒ・フォン・シラーらの戯曲、ヴェルディ、チャイコフスキーの歌劇、そしていくつもの映画になっています。

         

        今日はフランスの作曲家、オネゲルのオラトリオ『火刑台上のジャンヌ・ダルク』をお聞きください。

        Arthur Honegger Jeanne Darc au bucher Oratoriya Franciya (2006)

        https://www.youtube.com/watch?v=LPufeG1t1EY

         

        またその生涯を描いた映画はこちらです。

        ヴァージン・ブレイド

         

         

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        #ジャンヌ・ダルク #英仏百年戦争 #救世主 #異端審問 #聖人 #オネゲル #火刑台上のジャンヌ・ダルク 

         

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          てんし@弘前 (10/14)
        • 今日9月11日は、クラブサン(チェンバロ)の大家、フランソワ・クープラン(大クープラン)の命日。
          弘前りんご (09/12)
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          菊地 尚則 (08/19)
        • 演奏会の合間に、夏カレーに惹かれて、イトヨの食堂街へ。オーブン亭(イトーヨーカ堂弘前8F)
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        • 青森県は、大蒜(ニンニク)の一大生産地、ではニンニクの芽は?
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          yoko (07/19)
        • ランチさ迷わない人 ^^;)_ たまには家庭で袋麺を。日本の加工食品の豊富さ、技術の高さに感心。
          てんし (07/18)
        • ランチさ迷わない人 ^^;)_ たまには家庭で袋麺を。日本の加工食品の豊富さ、技術の高さに感心。
          弘前りんご (07/18)
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