(迷信?)
ベートーヴェンは、モーツァルト、ロッシーニ、ドヴォルザークのように、湧き出る旋律の泉を持っていないから、あんなふうに短い動機を様々に展開し(弄くり倒して)、結果として壮大な交響曲第5番”運命”やディアベリ変奏曲なんぞを書いたんだろうと揶揄する輩がいます ^^;
たしかにベートーヴェンはモーツァルト、ロッシーニ、ドヴォルザークのようにあふれるメロディーを書き留めるのに忙しいというようなタイプではなかったでしょう。
しかし、そんな揶揄に対する立派な反例が、ベートーヴェンの宗教曲の大曲、ミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)の中にもあります。その第四曲の第一部サンクトゥスから、第二部ベネディクスに移る冒頭(下にリンクを張っています)。
独奏ヴァイオリン(コンサートマスター)によるオブリガート(アンダンテ・モルト・カンタービレ・エ・ノン・トロッポ・モッソ)の旋律のなんと美しいことか。これを聴けば納得がゆくはずです。
それはさておき、この曲は第9番で交響曲の枠を超えたベートーヴェンが、宗教曲でもミサ曲のカラを打ち破ったものとして音楽史上でも重要な作品です。
従来のミサ曲は、ミサの儀式に誦せられる典礼文、『キリエ (Kyrie)』、『グローリア (Gloria)』、『クレド (Credo)』、『サンクトゥス (Sanctus)』、『アニュス・デイ (Agnus Dei)』などの歌詞にふさわしい曲をつけただけのものでした。
しかし、ベートーヴェンはそれに飽きたらず、それを尊重しながらも、曲間に明確な関連性を持たせ壮大な構造とした、まさに交響曲的な存在としたのです。当然、そこにあるのはキリスト教的教義というよりも、ベートヴェンの世界観が強く感じられる作品です。
今回、聴いた(観た)のは、
独唱:マーリス・ペーターゼン(S)、エリーザベト・クールマン(A)、ウェルナー・ギューラ(T)、ジェラルド・フィンリー(B)
合唱:オランダ放送合唱団
管弦楽:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:ニコラウス・アーノンクール
BSプレミアムで放送されたものでした。(2012年4月19日アムステルダム、コンセルトヘボウでの公演から)
(ベネディクトゥスの冒頭から)
そんなベートーヴェンの命日が今日でした。
ランキングのボタンをクリックで、応援をよろしく!
*ブログランキングに参加しています。
皆さんの1クリック(一票)で順位が決まりますので、
気に入ったら、このリンクか上の兵庫県ランキングのボタンを押してください。
ご協力、ありがとうございます (*^^*)
* 縁あってこちらに立ち寄ってくださった記念に掲示板に書き込みを宜しく。
#音楽 #クラシック #ベートーヴェン #旋律 #ミサソレムニス #命日 #3月26日