太宰学びの家界隈

津軽出身の有名人と云えば太宰治
彼は津軽半島の中程の金木の旧家に生まれました。
金木と云えば、津軽鉄道が通っていますね。太宰も載ったんでしょうか?

ユニークな駅名表示


津軽鉄道は津軽五所川原駅から金木駅までの間、タブレット閉塞器により運行しています。

その彼は、旧制弘前高等学校(現 弘前大学の母体の一つ)の学生として
ここ弘前で過ごしましたが、当時住んでいた家が記念館として残され、公開されています。





正面からは一見平屋のように見えますが、二階があり、そこの太宰は寄宿していた
ようです。二階に上がると表の通りが見ます。
ただ当時と周りの風景は変わっているでしょうから、太宰の目にどんな風景が映って
いたのか、想像するしかありませんが。

そこから少し足を伸ばすと、弘前にはいくつも残る洋館のひとつ、旧弘前偕行社
(現 弘前厚生学院記念館)があります。



旧弘前偕行社内の大広間

ここは旧陸軍第8師団の弘前新設に伴う陸軍将校の集会所・社交場として建設された
もので、国の重要文化財に指定されています。
建てたのは、和洋折衷形式の洋館を数多く手がけた、堀江佐吉です。彼の作品と
して、弘前には藤田記念庭園の洋館などが残されています。

庭園内には見事な枝振りの桜の木がいくつもあって、春には洋館に彩りを与えています。





ルネサンスのクールビューティー!

作家、塩野七生との出会いは、ベネチア千年史 ”海の都の物語”でした。


(塩野七生著 ルネサンス著作集4 ”海の都の物語” 新潮社)

最初これを読んだときは、まるで歴史の学術書のような記述に驚かされました。
膨大な、そしてそれまでの小説がおよそ触れることのなかった政治、経済、
人々の暮らしにまつわる文化史的な記述に圧倒されました。しかし、単に
博物学的に羅列してあるわけでなく、それぞれが密接に関連することが、
その行間から見えてくるんですね。そのことに感動を覚えたわけです。

それに先立ち、塩野七生がチェーザレ・ボルジアを扱った作品がこれです。


(塩野七生著 ルネサンス著作集3”チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷”)

マキャヴェリに名著”君主論”を書かせたルネサンス期の風雲児チェーザレ・ボルジア。
歴史上の人物の評価は、その時代の価値観によって大きく変わります。
チェーザレ・ボルジアもその一人で、実に毀誉褒貶の激しい人物です。
彼は野望半ばにして歴史の舞台から姿を消しましたが、マキャヴェリにとって彼こそが、
群雄割拠するイタリアを統一する理想の君主だったのでしょう。
善人か悪人かと言った二値的な判断では決して見えてこない、その人物の果たした
大きな歴史的役割を、著者は抑えた筆致で綴って行きます。それに私は鮮烈な印象を
受けました。


(惣領冬実作・画 チェーザレ、破壊の創造者)

その後の数十年、残念ながらチェーザレ・ボルジアとの接点がありませんでしたが、
数年前に始まったこの連載漫画で再び、この人物のことを考える時間を持つように
なりました。単なる歴史的事実を漫画化したのではなく、新しい歴史的見地から
見直されつつあるチェーザレの、これまであまり語られなかった成長期から描いています。
しかし、チェーザレを描くことで、実は良くなされる文化面からのルネサンスではなく、
政治の面からの、ルネサンスとは何だったのかを描く、実に重厚な内容を持つ漫画です。
そして日本のコミックの底力を感じさせる作品だと思います。

塩野七生の”ローマ人の物語”が年一冊のペースで15年以上にわたって刊行され
ましたが、一冊一冊が出るのを首を長くして待っていたことを思い出します。
その時に似た気分を、いままたこの本が刊行されるのを待つときに感じている
自分がいます。





 

久渡寺、りんご、幽霊

なんだか変なタイトルだと我ながら思います。

板柳では天気が悪かったので、りんごの花を撮り直しに久渡寺に出かけました。
まあ、雨にぬれたりんごの花と葉も、それはそれで風情があってよかったんですが。

翌日は打って変わってぴーかん。今度は白い花が白飛びしてしまいそうで、なかなか
うまくゆかないものです、人生は(^^;)。



一気に花開き、溢れんばかりの白いりんごの花を満喫した後、久渡寺に行きました。
ここは津軽の名刹で、津軽三十三観音霊場第1番札所であり、以前紹介した
最勝院などと並ぶ、津軽真言五山の一つです。。
さらに津軽の民間信仰オシラサマを祭る寺でもあります。



鬱蒼と木々が茂る小高い丘の上に久渡寺は立っています。
この石段が結構きつい。この前の湯の島といい勝負ですね。



石段の下の方はまだ整然としていますが、上の方に行くと、石が丸かったり、
あるいは石がなくなり土がむき出しになったりと歩きにくいこと、この上ない状況。
まあ、これも修行かと...(何の修行ですか?)



登りきったところに観音堂があります。普段は観音堂は公開していないので
観ることはできませんが、来た人はその前で熱心に手を合わせ、拝んでいました。


(NHKテレビより)

季節的にはまだフライングとなりますが、幽霊の絵を一枚。
実はこれ、円山応挙が描いたとされる幽霊の絵。足のない幽霊の絵の始まりと
されているもののようです。春に見ても鬼気迫るものはありませんが、
夏の夜にろうそくを立てたお堂の中でみれば、幽玄とも言える雰囲気が味わえる
のではないかと思います。またその頃に再訪してみたいと思っています。


 

りんごの花が咲きました。

土曜日に撮り鉄に出かけましたが、行った先は日本有数のりんごの産地である
だけでなく、りんごを核に総合的な街づくりに取り組んでいると云われる板柳町。
その取り組みが分かるのが、板柳駅のほど近いところにある"板柳町ふるさとセンター"。
りんごに関する農業体験を含めたリクリエーション施設(コテージの宿泊や食事も出来る)
を持つ町の施設です。敷地の多くはりんご畑。ちょうどりんごの花が咲き始めていました。


(ユニークな屋根のふるさとセンターの本館 − インフォメーション、休憩室などが入っています)


(RingoWorkと銘打って様々な展示を行っています)



敷地には立派な無数の鯉が泳ぐ池もありました。



敷地内のりんご畑ではもう、りんごの花が咲き始めていました。
桜とはまた違った趣と美しさがあると思います。





天気がよければ、もっと花の色が鮮やかになるのにと、その点だけが少々残念でした。



 

どしゃ降り鉄復活!?

我太呂さん命名のどしゃ降り鉄、平中名物かどうかは分かりませんが、
今日も降りしきる雨の中、板柳まで撮り鉄に出かけました。ご苦労なことです(^^;)


(JR五能線 板柳駅)

弘前から車で40分弱、板柳駅に到着。
GWのレースバスの時のようには天気が回復することもなく(晴れ男の看板をしまわなくては)、
ご覧の通りの鈍色の空。板柳駅から北に500mほどの撮影ポイントに移動し、目的の車両の
到着を傘を差しながら待つこと10分。リゾートしらかみ青池編成が登場。雨の中でもブルーの
車体は鮮やかですね。


(背後にかすかに岩木山が...)

場所を変えて次の列車を待つことに。





今度は快速”りんごの花 風っこ号” 5月12,13日の限定運転。
窓を大きくとった車両(トロッコ風とのこと)がなかなかいいですね。
中でも津軽三味線の演奏などのイベントが行われているとか?
残念ながら外からは見えませんでしたが。
近いうちに乗り鉄も体験したいですね。

そして今日も撮り鉄のあとは、グルメ...
といってもいつもの幸楽苑。

期間限定と云う言葉に弱く、今だけの春筍とえびのあんかけ塩ラーメンにしました。
あっ、あんかけという言葉にも弱かった(^^;)
雨で冷えた体にはこの暑さも御馳走でした。



(幸楽苑 春筍と海老のあんかけ塩ラーメン 619円)

 

ビジュアル化成功例第一号?

正直に告白します。
これまで何度か読破しようとして途中で挫折すること数度。
つい最近まで最後まで読めずにいました。そうダンテの新曲です。
いや違った、神曲です。(^^;)


(ダンテ・アリギエーリ wikipediaより)

ダンテはこの作品の中で、聖書でその存在に簡単に触れられていただけの地獄とは
どういうものかを、描き出しました。このことは当時の信仰心深いヨーロッパの人々に
強い衝撃を与えました。
それぞれの罪深き所業を思い、死後にはそのようなところに行かなければならないのか
と恐れ戦いた訳です。しかし当時(ルネサンスの時代)にダンテの神曲を読むことが
出来たのはもちろん文字が読める、教養の高い人々に限られました。

しかし、それから数百年経って19世紀になり、ダンテが文字で描写した地獄を、
ギュスターブ・ドレが木版画によって、生き生きと描き出しました。


(ギュスターブ・ドレの神曲 宝島社 刊  )

これは当時の広い階層の人々に地獄のイメージを鮮烈に植え付けることになりました。
それ以後の芸術の世界に於ける地獄のイメージは多くはここを源流としている様です。

初めに何度も読破できずに挫折したと云いました。というのも、
”われ正路を失ひ 人生の覊路半にあたりて とある暗き林のなかにありき”
このように格調高い文語体(三行詩)で書かれた文は、すばらしいとは思うものの、
それが1万4千行ともなると、なかなかに手強いものでした。

しかし、今回は中心の三行詩以外は現代文に訳されています(意訳)。
たとえばこんな風に
”人生の旅の途中で 本当の道を踏みはずしてしまった私は、気づいた時、暗い深い森
  の中にいた。”

おかげで見通しが良くなり、ドレの魅力的な版画が豊富に載っていて、今回は無事読破
できました。なんだか長い間喉に刺さった骨が抜けた気分です。(^^)d




作曲家としてのバーンスタイン

指揮者としての名声を獲得しながら、自分の本分は作曲家だと考えていた人達がいます。
かのマーラーしかり、そしてフルトヴェングラー。


(フルトヴェングラー wikipediaより)

しかし、指揮者と作曲家の両方で評価されるのは果たして可能なのか。
たとえばマーラーは今でこそ、作曲家として不動の評価を得ていますが、
当時は指揮者として見られていたのであって、作曲の方は日曜作曲家、
ようするにアマチュアとして捉えられていました。

そしてバーンスタインもその系列に連なるようです。


(レナード・バーンスタイン wikipediaより)

バーンスタインはニューヨークフィルの常任を退いた後、作曲家としての時間を
充実させようと考えていたらしいのですが、ウィーンフィルへの客演などが非常に
好評で、指揮者として引く手あまたとなり、結局は作曲に十分な時間が取れず、
寿命の方が先に尽きてしまいました。彼としては非常に口惜しいことだったに
違いありません。

考えてみれば過去の偉大な作曲家達は、自分の作品を発表するために指揮して
いたのであり、職業としての指揮者が確立したのは、恐らくハンス・フォン・ビューロー
あたりからでしょう。


(ハンス・フォン・ビューロー wikipediaより)

彼は演奏家であって作曲家ではありませんでした。
従って、職業としての指揮者でありつつ、作曲家として成功した人は少なく、最近では
ブーレーズ、少し前ではR.シュトラウスが揚げられます。R.シュトラウスは作曲家として
次々と作品を発表しながら、一般の指揮者としても活躍した稀有な例でしょう。

考えてみるに、たとえばベートーヴェンの時代、彼の作品がまさに現代曲であったわけ
です。なかなかその新しさはすぐには受け入れられなかったようですが、それでも西洋
音楽の根幹である和声、調性が失われたわけではなく、その新しさはしばらくすると
受け入れられました。しかし、近現代、その2つを否定する無調、十二音技法などが
出現するに至って、一般の人には受け入れがたく、残念ながら昔の現代曲と同様な
ポピュラリティーを得る事は極めて困難になりました。
そのことも指揮者と作曲家の両立を難しくしていると思えます。
現代曲の中で評価が確立し、たびたび演奏会にかかる作品は、古典的な和声、調性
ではないにしても、新たな調性感を感じさせる作品が多いことは皮肉な話です。

結局、自作を発表するだけの指揮者という職業は、ビジネスとして成り立ちにくいという
ことのようです。いきおい、他人が書いた過去の有名曲を演奏会で指揮する仕事が中心
になり、自作を発表する機会は極めて限られたものになって行きました。

たまたま、ハーンのヴァイオリンによる、魅力的なバーンスタインの作品(セレナーデ)を
聴いて、そのような事を考えた次第です。合掌(二人二)


(ベートーヴェン:Vn協奏曲、バーンスタイン: セレナーデ、ヒラリー・ハーン(Vn)、
 ジンマン指揮ヴァルティモア交響楽団)



為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり (上杉鷹山)

カシオペアと聴くと、星座か寝台特急を思い起こしますが、失礼ながら、カシオペア
という音楽グループ(フュージョンバンドだそうな)は、実は聴いたことがありません(^^;)

しかし、現在活動を休止しているこのグループのキーボード奏者である向谷実氏の
鉄道関係での盛名ぶりはよく知っています。


(向谷実氏、wikipediaより)

彼がオタクの域を遙か超えて、鉄道博士とも云うべき存在で、さらには趣味から
始まって、ゲームの鉄道シミュレーター(Train Simulator)を開発するにいたり、
今ではなんと鉄道会社の運転士教育用のものまで作っている会社の社長でもあります。

誰でも好きなことならやりたいと思いますし、ある程度なら多くの人がやっています。
しかし、向谷氏の様に、やるならとことん究める、そのためにはあらゆる努力を惜しまない
姿勢は誰にでも出来ることではありませんよね。

その向谷氏がやってくれました。
大阪から上野までブルートレインをイベントとして走らせることを。




(車掌姿の向谷実氏とブルートレイン、ニコニコ超会議号 以上、2枚は日経BPの記事より
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120502/231656/?P=1&rt=nocnt

言うは易く行うは難しの言葉通り、その実現は、車両の調達、実際のダイヤの中で、
どこをどう走らせるかなど、実に困難を極めたようです。
しかし、ずっと温めてきた夢であることから、持ち前のバイタリティ−、人脈の広さを
駆使して、JRの関係者を説得してまわったそうです。最初懐疑的だった人たちも、
次第に向谷氏の熱意にほだされ、協力する人が増えて行ったようです。そうやって、
問題を一つ一つ解決して行き、実現にこぎ着けたとのこと。
その経緯を聴くと、本当頭が下がります。

ただの鉄道好きのおっちゃんくらいに以前思っていたことを恥じました。m(_ _)m






 

他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる。

先だった妻、洋子からの2通の手紙。
一通は夫の許に届き、ふるさとの海に散骨してほしいと書かれていました。
そしてもう一通は、なぜか生まれ故郷の郵便局に局留で送られることに。


(森沢明夫著 あなたへ 幻冬舎文庫)

いぶかしく思いながらも、長崎に届いているはずの手紙を受け取りに向かう夫。
元気なうちに妻との旅行に使おうと、キャンピングカーに改造していた車を運転して。

その旅の途中で、なぜかこの夫婦に過去に関わりがあった人々と次々と出会います。
まるで妻が書いたシナリオのように感じる夫。
それは同時に彼と旅の途中で出会った男たち自身の再生でもありました。
”他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる。”という妻の口癖。
これに背中を押されて夫、そして出会った男たちが新しい生き方を見つけて行きます。

”津軽百年食堂”という良質のエンターテイメント小説を提供した作者森沢明夫。
今度は、不器用にしか生きることが出来ない男が、最愛の妻の死を機に再生を図る物語。
市井で懸命に生きる人に光を当て、その未来を描く、まさに現代小説における藤沢周平
の趣があります。最近なかなか得がたいハートウォーミングノベルズですね。





 

デコチャー第二弾!

ジュンク堂で歩き疲れて、外で食べて帰ることにしたのですが、土手町は
どこもいっぱい。仕方なく自宅まで帰ることにしたのですが、途中通りかかった西弘
商店街のくま吉ラーメンのデコチャーの幟が目に入りました。

好評につき、かどうかはリサーチしていないのでわかりませんが (^^;)、
くま吉ラーメン(旧西弘駅、現在の弘前学院大前駅歩いて50歩)にデコチャー第二弾が
登場ということで、第一弾はなかなかのものだったので期待が高まりました。

(ちなみにデコチャーとは、デコレーションチャーハンの略だとのこと。各店舗が腕を振るって、
ベースのチャーハンにいろんなものをトッピングして提供しています)

今回のデコチャーは、カレー味のチャーハンにトントロとサラダが配されて、餡が
かかっていました。
 

(ラーメンくま吉のデコチャー、餡かけトントロ炒飯 650円)

トントロがまさのその名の通り、箸でつかむとスッと千切れてしまいそうなくらい柔らかいのに
驚きました。またあっさりとしたカレー風味の炒飯に餡を混ぜながら食べると、これまたじつに
懐かしい庶民的な気取らない味に大変満足しました。

第三弾はあるのかな?



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